小説「すれ違うふたり」第10話。 | てつさんのアスペルガー症候群奮闘記

てつさんのアスペルガー症候群奮闘記

私は35歳でアスペルガー症候群と診断されました。今までの生き難さがなぜなのか少しずつですが見えてきました。週1回、子の刻に更新されます。

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公務員試験1本で全滅してしまったら秋から就職活動するか、翌年の公務員試験に再挑戦するか考えることになるが、就職難の時代に秋から就職活動してもいい就職先は確保できない。翌年の公務員試験に再挑戦するとなると就職浪人が決定になる。マナブくんはいい就職先を探りながら公務員試験再挑戦の勉強という作戦に出た。

 

 秋にはアルバイトに復帰し、学生議会議員の引き継ぎと公務員の試験勉強、良さそうな求人が出たら履歴書を送るなど慌ただしい残りの学生生活を送っていた。やはり秋からの就職活動は難航しこれと言った成果のないまま年が明けることになった。

 

 就職浪人もやむなしと思っていたマナブくんだが、まだ就職もあきらめてはいなかった。新聞をながめていると事務職員募集の求人広告が2件目についた。1つは大阪の専門学校、もう1つは京都の医師で構成される団体だった。マナブくんはこの2件に履歴書を送ることにした。

 

どちらも1次試験があったがマナブくんは両方突破し面接を受けることになった。大阪の専門学校は経験者募集のところを新卒の私がねじ込んだので面接は受けたが不採用となった。

 

もう1つの京都の医師で構成される団体は面接控え室に6人いた中で男性はマナブくんだけだった。これはもしかしたら奇跡が起こるかも知れないぞと思いながらも肩の力を抜いて面接を受けた。

 

 奇跡は起こった。2月28日に団体の事務局長から内定の電話が来た。翌日に内定者説明会をするので来て欲しいと言う話になり、2月29日付けで内定通知をもらった。まさに土壇場の大逆転だった。勤務開始は4月1日。

 

 3月になった。急遽就職が決まってしまったマナブくんは、新生活の準備に大わらわだった。アルバイトはシフトが決まっているから行かなければいけないが、引っ越し先の確保や荷物の整理、契約の手続きや家電製品の購入など迷っている時間もない。

 

                                      (つづく)