「学びを3歩、未来にすすめる」 | Work , Journey & Beautiful

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オルタナティブな学びを探求する

 

最近、色々な人から「ミテモは今後、何を目指しているのか?」といったことを聞かれ(問われ)ます。

 

問われて、答える。こうやって話すことで考えは深まるものです。話しながら、「しっくりくるなぁ」「あぁ、これはあまりしっくりこないなぁ」と自分の言葉を反芻しながら、自分の気持ちを整理していました。

 

どうしても日々数字を追いかけていると目線が短期的になりがちなので、こうやって問われることで目線が上がり、考えが整理されていくので、ありがたいなぁと思います。僕もできる限り同じ立場の人に会った時は同じことを心がけよう。

 

さて。

折角のGWだったので、日頃考えていることを整理しようと思いました。

 

missionは「学びを3歩、未来にすすめる」こと

 

教育(学び手を主語にすれば学び)は、常に変化し続けています。教育の現場にいると遅々として変わらないことが目立って見えるかもしれませんが、それは一側面でしかなく、より俯瞰してみれば教育(というシステム)は変化し続けています

 

しばしば人は「教育を変える必要がある」と問題提議をすることがあります。しかし、根本的には上述した通り、教育は変わり続けています。もっと乱暴に言ってしまえば、人が望もうが望むまいが、社会が変わり続ける限り、勝手に教育は変わり続けていきます

 

なぜならば、教育とは社会という大きなシステムのごく一部の機能を担うサブシステムであるからです。システムである、ということは、相互に影響を与え合うということです。これだけ変化にとんだ社会の一部である教育が、社会からの影響を受けないはずがありません。(同時に社会は教育から“も”影響を受けています。)

 

一方、僕が大人の教育と子供の教育とを往来しながら感じることは、構造的に、教育システムは外部(=社会)の影響を受けとり変化するためにより多くの時間を要する、ということです。例えば、私たちのライフスタイル(生活の仕方)はこの10年間で様変わりしました。多様な働き方も生まれてきました。それらの変化と比べると、教育のスタイルはそれほど大きくは変化していないようにも感じます。

 

少し話は変わりますが、今、社会で起きている変化とは根本的な価値観の変化(パラダイム・シフト)を伴う大きなうねりのようなものです。グローバル化、多様化、複雑化、ネットワーク社会化が進む中で、消費(生産)のあり方、幸福な人生の歩み方、働き方が大きく変わろうとしています。社会の大きなうねりに合わせて、教育もまた大きな変化の時にあります。

 

大きな変化が起こる時には、変化する力と同じくらい変化を抑止しようとする力も生まれます(社会的均衡)。壁を腕で強く押せば同等の力で壁が腕に押し返してくる、あるいは、組織の中で何かを変えようとすると必ず抵抗する人が出てくる、といった現象と構造は同じです。そして、その変化の渦中にある人は苦しみを味わうことになります。大雑把に言うと、「明らかに社会は変わっているのに、旧来型の教育を受けていることで、将来に希望が見いだせず、かといって旧来型のシステムからも抜け出せなくて苦しむ人」は、変化の過程では必ず生まれてきます。

 

そんな中、僕が問題だと感じているのは、教育システムが変化していく過程により多くの時間を要するために、希望を失い、苦しむ人が増え続けるということです。

 

繰り返しになりますが、教育は放っておいても変わっていきます。問題なのは、そのスピードです。例えば中高生の自殺数が増加し続け、また、20代・30代の死因の1位が自殺であり続ける状況にあり、毎年のように精神疾患者が増え続けていくという、どう考えてもシステムとしてエラーが起きている状態は、このスピードを上げていくことができれば、少しでも改善できるのではないかと思っています。(もちろん、教育システムの変化スピードだけが原因ではないとは思いますが)

 

だからこそ、僕はmitemoという会社を使って、教育(学び)を未来にすすめていきたい、と思っています。それも、放っておけば1歩ずつ変化するであろう歩みを、僕らの存在によって3歩、つまり3倍進められたといえるように。僕らの存在によって変化に苦しむ人やその周辺で悲しむ人を少しでも減らしていきたいと願っています。

 

 

オルタナティブな学びの表現者集団として、2020年に世界で最もイケてる教育の会社になる

 

今、mitemoが掲げているVisionは、「オルタナティブな学びの表現者集団として、2020年に世界で最もイケてる教育の会社になる」というものです。

 

「イケてる」という表現がやや軽く響くので、冗談のように聞こえるのですが、この言葉が持っている時価総額や組織規模や売上規模などといった従来の物差しでは測られない価値基準が結構気に入っています。また、「2020年」という、あっという間に来るであろう期日までに、「世界で最も」と評せるような状態にたどりつこうと思えば、今までの延長線上でいいはずがありません。それ相応の覚悟をもって、このVisionを掲げています。

 

何をもって「イケてる」ととらえるかについては、まだまだ議論の余地があると思っていますが、僕にとっては、上記のmissionを最も実現できている(あるいは実現できそうな)会社になっている状態であることがイケてる会社に求められる必須条件の一つです。

 

ではどうやって、ミッションに取り組み、インパクトを出していくのか?

2020年までの間に何を仕掛けていくのか?

 

そんな問いをGW中、ずっと考えていたのですが、その時に考えていたことを整理したのが、この図です。

 

 

勿論、具体的なビジネスのレベルに落とし込むと、当然ながら解像度は細かくなっていきますし、この図そのものも今後さらにブラッシュアップされることになるでしょうが、いずれにせよこれは、今後mitemoを用いて、僕が教育システムのどの領域において価値を生み出し、教育を未来にすすめていきたいのかをまとめてみたものです。

 

大きく分けると、対象と時間軸の2つの軸からなる4つの領域に分かれています。

 

A(大人×現在) : 大人の学びを進める
現代の大人と組織が抱える課題を解決しながら、
子供達に希望を与えられる/創造性にフタをしない大人を増やしていく。

 

こういう仕事をしているからか、僕の周りにはオルタナティヴな教育プログラムを手がけている仲間がたくさんいます。しかしながら、折角それらの学びの機会が広がったとしても、大人がその機会に蓋をしてしまうことがあります。

 

例えば、組織に対して従属意識が強く「会社は自分達の意思を尊重することなどなく、ただ従う他ない」と思い込んでいる人は「自分の頭で考え、行動できる人に育つ教育プログラム」と聞いた時に「社会とはそんなものではない」と子供の選択を遮ろうとするかもしれません。このように、オルタナティヴな教育の機会が広がるかどうかは、親の価値観をどれだけ変えられるかによって大きく影響を受けます。

 

B(子供×現在) : 時代に合った学びの機会をより多くの人に届ける
地域格差、収入格差などによって生み出されている現代の子供を取り巻く教育的課題を解決する。

 

また、オルタナティヴな教育プログラムが増えてきているとはいえ、それは都市部を中心とした一部の地域だけの話です。また、それぞれの教育プログラムへの参加費用は比較的高額な費用がかかります。まだまだ多くの子供にとっては、「時代に合わない教育しか選択できない」のが実情です。

 

この現状を改善する領域こそ、テクノロジーとクリエイティブの出番です。

 

C(大人×未来) : 未来の大人=社会のステークホルダーを育てる
VUCA化する21世紀の社会において、サステナブルな社会実現に向けてイニシアチヴを発揮できるリーダーを育てる。​

 

21世紀という世界が、どのような世界であるのか?を表す言葉として、よく用いられる言葉の一つとして、VUCAという言葉があります。これは、変動、不確実、複雑、曖昧のそれぞれの頭文字をとった言葉であり、21世紀が変化にとんだ先を見通すことができない時代であることを意味しています。

 

そんな変化にとんだ21世紀を生きる子供たちだからこそ、20世紀の価値基準にとらわれることなく、サステナブルな(持続可能な)社会を実現できるような価値観・文化を創り出してもらいたいと切に願っています。子供たちは、未来の当たり前を創り出す社会のステークホルダーです。そんな未来の当たり前・価値観・文化を形成する機会を提供するために、今、教育を通してできることがたくさんあります。

 

D(子供×未来) : 未来の子供に求められる学びのスタンダードを創り出す
高度に発達するテクノロジーによってもたらされるシンギュラリティ時代に求められる教育プログラムを生み出す。

 

「AI/ロボットに人間の仕事が奪われる(人間が支配される)」などといった記事やSNSでの投稿をよく見聞きします。大きな変化が起きるとき、人は恐怖を感じるものであり、こういった反応は自然なものだとも思います。とはいえ、いずれにせよAI/ロボットはより高度化していくでしょうし、将来的にはコンピュータはナノサイズになり人間の頭脳に埋め込まれるようになることも考えられます。

 

そんな時代に教育ができることは何か?というと、「より高度化したテクノロジーを用いて、世界をよりよくするためにはどうすればよいか?」を考えられる人材をどれだけ世界に、継続的に、生み出すことができるか?でしょう。テクノロジーはそれ単体では素晴らしいポテンシャルと恐ろしいまでのダークサイドの双方を持つものです。そんなテクノロジーのポテンシャルを引き出しながら、サステナブルな社会を築き上げる社会的な知性を高めるための教育について、今から考えていくことができるはずです。

 

 

 

このように、教育システムはその内部においても様々な要素が絡み合いながら構成されており、また相互に影響を与え合っています。そんな教育システムを未来にすすめるためにこそ、僕はmitemoを使って、大人にも子供にも、現在にも未来にも影響を与えられるよう、俯瞰的かつ多方面から教育ソリューションを生み出していきます。