戦略を立案する上での現状把握と原因分析 | Work , Journey & Beautiful

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似たような言葉ではあるが意味合いが異なる言葉というのは世の中にあるけれど、現状把握と原因分析という言葉も割と意味合いがごちゃ混ぜになっている言葉である。特に戦略立案、戦略展開を考える上でこの違いをきちんと理解しておくことは重要だ。何が言いたいのかというと「戦略をたてる上で必要なのは徹底的な現状把握であって、原因分析は不要だ」ということだ。

目標達成へのシナリオを考える(戦略をたてる)上で、重要なのは徹底した現状把握だ。達成したい目標があったとして、

1.現状はどのような状況なのか?
2.成り行きに任せて進めたとして、今後どの程度の成果が見込めるか?
=目標にどの程度届かないか?

を明確にすることで初めて、目標達成に向けたシナリオを考えることができる。具体的には「現状の延長線では不足する」ギャップを埋めるためのいくつかの施策を設計し、実現に向けたアクションプランを考える必要がある。

対して原因分析というのは、主に過去に起きた事象(中でも失敗例)に対して、その原因が何だったかを考えることである。たまに何かしら戦略をたてる際に、「前回実施した施策の振り返りと反省から考えよう」「前回それをやったが上手くいかなかった」という人がいるが、こと戦略をたてる上では意味がない。(勿論振り返ること自体は価値のあることだ)

そもそも原因分析というのは何かしらの施策があり、結果が出ており、なぜそれが上手くいったのか?なぜそれが上手くいかなかったのか?を分析するものである。要するに、原因分析は「次どうするか?」を考えるものである。次どうするか?というのはhowでたり戦術レベルの問題だ。

上述したとおり、戦略とは徹底的な現状把握と実現に向けたシナリオを考えることであり、これらは「どうやるか?」ではなく「目標を達成するために何をするか?」の問題だ。施策を展開するレベルで、具体的な手法を検討する際に過去の手法の原因分析は役に立つし、戦略を展開していくフェーズでは原因分析を行う必要があるが、戦略をたてる際には原因分析を行う必要はない。