「アンナ・カレーニナ」の3つのDVDを視聴しての比較 | 楽逍遥の友@鎌倉・湘南

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プロフィールのわたしの画像は、中国人の親友が作ってくれた“楽逍遥”の印章。カバー画像はネパールでヘリに乗ったときに撮影。

トルストイ原作「アンナ・カレーニナ」はこれまで9回映画化。そのうち3つをDVDで視ての比較をした。以下私の評価の高かった順に。

 

①ソ連映画(1967)

主演:タチアナ・サモイロワ、ニコライ・グリツェンコ

〇さすがにロシア/トルストイの雰囲気が一番出ているのはこれ。貴族の邸宅、ペテルブルグ・モスクワの都会、自然・農地などの風景ももちろん言うことなし。時間も長いので、ストーリー描写が丁寧。

〇主役の二人もベストに近い。ヴロンスキー役もアンナが惚れるだけの味がある。タチアナ・サモイロワは目の奥の深さが印象的。欲を言えばもう少しの華やかさ(どっしり感が強い)。

〇トルストイがこの小説でアンナ&ヴロンスキーと対比する形で書いたリョーヴィン&キチィ夫婦の愛と生き方(貴族だが田舎で農業)もこの映画ではうまく描けている。広い自然と農地の向こうに落ちる夕日の風景が、えも言われぬほど美しい。

 

②米英合作(1997)

主演:ソフィー・マルソー、ショーン・ビーン

〇映画としては贅沢によくできている。全編ロシアロケ。チャイコフスキー、ラフマニノフなどの音楽がふんだんに流れる。トルストイのストーリーをコンパクトによく映画化(上記ソ連映画とかなり近い内容)。

〇ソフィー・マルソーは期待以上で美しいか、存在感・迫力は足りない感じ。ヴロンスキー役は品が不足。

 

③英国映画(1948)

主演:ヴィヴィアン・リー、キーロン・ムーア)

〇アンナ・カレーニナの愛とその終わりがストーリ-の中心で、その点で原作と距離がある。ヴィヴィアン・リーのアンナの存在感がすごい。愛のみに真剣、正直な女の悲しさと恐さは一番出ている。ヴロンスキー役は、演技はともかく美形という点では一番。