今回はココロコネクト-ヒトランダム-編です。
「私立山星高校に通う桐山唯と青木義文は、ある日の夜中に一時的に、互いの魂が入れ替わる現象を体験する。夢か現実か気になった2人は、文化研究部の仲間である八重樫太一、永瀬伊織、稲葉姫子に相談するが、冗談話と思われ、ちゃかされてしまう。数時間後に太一と伊織の体が再び入れ替わり、話が本当だと信じた2人は文化研究部へ戻り、副部長の稲葉に体が入れ替わったことを説明する。話が信じられない稲葉は、真実を確かめるため伊織(太一)と太一(伊織)の2人に、本人しか知らない質問をして表情で判断し、ようやく話を信じる。かくして、人格入れ替わりながらも日常生活を送るが、この現象は<ふうせんかずら>という謎の存在による実験であった。<ふうせんかずら>が面白いものを見るために、文化研究部の面々に次々と超常現象を起こして感覚や人間関係を混乱させる中、八重樫太一をはじめ永瀬伊織、稲葉姫子、桐山唯、青木義文の友情も成長したり傷を負ったりしていく。」
(出典:Wikipedia)
男2人女3人の学園ものです。この人数構成だとTaritariを思い出すのですが、内容はtaritariよりも重いです。しかし、その分面白いです。題名の通り人間の内面に焦点を当てた作品です。
まずはヒトランダム編から
人格入れ替わりという超常現象を体験することにより、最初は肉体的なところに注目が集まるドタバタ劇なのですが、そのうち、人のアイデンティティとは何かにぶつかり始めて悩みだすという鋭い着目点で物語は進んでいきます。5人それぞれが悩みを抱えていて、それが人格交代で否応なしに前面に出てくる。そして、お互いの垣根が少しづつ取り払われていくといった感じでしょうか。
この一風変わったアニメおよび原作について述べていきたいと思います。
尚、まだ全部見ていないですが、キズランダムを見終えて☆3つ以上確定作品です。そのため、これから続くネタバレ編は、作品に興味がある方は見ない方が良いと思います。
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ここからネタバレ編です
桐山唯の悩み
ロリコン属性を持っている人に需要があるといわれている彼女。外見のかわいさとは裏腹に空手の達人。5人の中では一番強い。しかし、その彼女が真剣に抱えている悩みは男性恐怖症。中学に入り、大人の大人に襲われかけ逃げるしかできなかった彼女。自分が強いがゆえに限界がわかってしまう。そのため、高校に入り、両極端のかわいいものに走ってしまっている。
そんな彼女に惚れているのが青木。でも、その彼女を救うのは青木でなく、主人公であるおせっかい太一。
「俺は桐山が男性恐怖症のままであるほうが…。 迷惑だ。」「だから助けさせてくれ。」
解決策もないままそんなこと言っちゃう太一君、。結構好きです。
そして、解決策は桐山に入れ替わった自分への金的攻撃。初めてのその痛みに悶絶する桐山。しかし、そのあとすぐ人格が戻ってしまい太一が悶絶する。手加減なしで金的攻撃したことを悔やむ太一。面白かったです。
稲葉姫子の悩み
事実上のリーダー。そのため、人に対して決して弱みを見せない。だけど、その心は折れやすい。一番心配なのは伊織だと言っておきながら、実は自分が一番人格入れ替わりの環境に耐えられない。
彼女の悩みは人間不信。もともと人間不信なところに、人格入れ替わりが起き、人格入れ替わりの最中に他の人に何されるかわからない恐怖。そのため、精神的にも肉体的にも参ってしまう。
そんな稲葉をみて、悩みを話せと稲葉を説得する太一。しかし、人に弱みを見せられない稲葉は話すことができない。この話をするとみんなの稲葉への接し方が変わることを恐れている。
「人を信じられないやつと今まで通り付き合えるか」
そこで、一計を案じた太一は自分の弱みを打ち明ける。
「俺は稲葉をおかずにしたことがある。」
そのあほな告白に心を許した稲葉はその心境を太一に話す。太一はその話を聞き、驚くが大丈夫だから、みんなに話せという。でも、太一以外には話す勇気のない。みんなは受け入れてくれないかも。
そんな心配をする稲葉に太一は言う
「それでもまだ俺がいるだろ。じゃだめか?」
ああ、女たらし太一。これがあと後大きな影響を稲葉に及ぼしてしまいます。
そして、勇気を持ってみんなに告白する稲葉
しかし、打ち明けられたみんなはぽかんとする。
「つまり、稲葉んは心配性なんだね。」 伊織
「私だって青木と入れ替わった後はまず、からだに異常がないか確認して、持ち物がなくなっていないか確認する。」 唯
結局は程度の問題。案ずるより産むがやすし。自分が大問題だと思ったことは程度の差こそあれ、皆が思っていたことで大した問題でなかった。
そして、打ち明けたことによりすっきりし、今までよりも親密に付き合えるようになった稲葉。なかなかよかったです。
永瀬伊織の悩み
彼女の悩みはちょっと深刻。自分のアイデンティティがないという悩み。家庭の不幸から人に合わせることばかりやっていた永瀬。そのため、本当の自分を見失ってしまう。特に、人格交代が起きてからは外見で判断できず、自分の人格で判断することが必要なため悩みが深まる。
そんな中、おせっかい太一が
「なにがあったって、どんな風になったって、俺が、永瀬が永瀬であることをわかっててやれるからだ。」
と、大見えを切る。
しかし、実際、伊織が稲葉と人格交代をしたふりをして太一にせまっても気づかない鈍感男太一。そして、いいところで本物の稲葉が部室に入ってきてばれてしまう。逃げる伊織、追う太一。
追いついた太一は伊織に告白する
「おれは永瀬伊織のことが好きだ。だから、俺と付き合ってほしい。」
ヒトランダム一番の名場面ですね。でも、さっき稲葉に言った「それでもまだ俺がいるだろ。じゃだめか?」セリフの方がこくっているように聞こえてしまう。つまり二股。わたしはどうなっても知りませんよ。
八重樫太一の悩み
「自己犠牲野郎」そういう風に稲葉に指摘されてしまう太一。その本質は人が困っている姿を見ると自分のように感じてしまい、自分が苦しんでしまう性格の持ち主。いわゆるEQ(心の知能指数)が高い人である。そのため、ならば自分が肩代わりしようと考えてしまう。
周りから見るとハラハラしてしまう。案の定、伊織がおぼれて危篤状態になり、「ふうせんかずら」から誰が死ぬか決めてください。」と聞かれた時、真っ先に手を挙げてしまう。
そんな太一を見て稲葉と唯が爆発する。
「お前が傷つけば周りにいるアタシ達の心が痛む。お前を友達以上の存在と思っている人間はなおさら、な」
太一は自分をやっと真正面から見詰めることができるようになった。
青木義文の悩み
無い。
と言っては失礼かな。実はこのメンバーの中でいちばん大人。自分のこと冷静に見ており、自分のイデンティティは何かを理解しており、それを否定してもしょうがないと理解している。その意味で「ぶれていない」なので、自分に自信があり、自分に対して真剣な悩みがない。
悩みがあるとすれば唯との関係の進展だけであろう。
この子がぶれないからこの5人はまとまっている。個人的には評価の高い子である。
[2CS] 四季の恵み 自然湧水 木曽 (2L×6本)×2箱