前回の投稿で、「社会が求める生産性」のために
個人の望みや個性が犠牲になっている事について触れました。
それが求められるのが当たり前の世の中で
そこについて警告を鳴らすのは、
それにより私たちにとって一番大切なものが
損なわれてしまっていると感じているからです。
その大切なものとは
「たましいを輝かせる事」です。
「たましい」という言葉を使うと、迷信めいていたり
非科学的と感じるかもしれません。
ただ、その観点が抜け落ちてしまうと
一般的に考えられている以上に、
私たちに大きな影を落とすのではないかと感じています。
ユング心理学者で臨床心理士でもある河合隼雄氏によると
<たましいのはたらきは、人間の生きている上に
常に関連している。しかし、それ抜きで考えていても、
普通はあまり困ることはない。
ところが、そんなものはない、とあまりにも強く断定したため、
困った状況に陥った人が、私のところに相談に来ることが
多いのではなかろうか。
そこではその人と共に、たましいのはたらきを
認められるようになるのを待つ仕事をしている、
と言えそうである。「物語とたましい」>
(じんぶん堂 2021.06.11 抜粋)とあります。
私は「こころの問題」を突き詰めていくと
「自分のたましいを如何に輝かせるか」という課題に
突き当たるのではないかと考えてます。
「たましいを輝かせる」こと無く
人生最後の日を迎えたとしたら
「もう一度人生をやり直したい」と強く感じるのでは
ないでしょうか。
もしそうであれば、今、この瞬間から
「たましいを輝かせる」人生を生きて下さい。
前回の投稿にある様に
小さなところからでもいいので
そこに繋がる選択をしてほしいのです。
ただ「たましいを輝かせる」って
どう生きればいいのかイメージしづらい場合は
前出の「無気力の心理学」(#106)の本の中の
以下の内容が参考になるかもしれません。
<自分を価値ある存在として確認しうる根拠は、
第一に、自分の活動やその所産は、自分の創造したものだ、
という感じが持て
第二に、他者との暖かい交流、人の役に立ちうるという
満足にもとづき
第三に、自分が自分らしくあること>(P98 要約)
だという事です。
まずは、#133にある
<特技や才能を活かせる環境を
身近なところから育てて行くこと>で
自分の価値を発揮していく事が
「たましいを輝かせる」人生に繋がるのではないでしょうか。