#141 自律性 8 | 心の赴くままに

心の赴くままに

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前回の投稿に続き

競争が強調される状況下での

影響を見ていきたいと思います。

 

前出の「無気力の心理学」(#106)の本の中で 

興味深い実験が示されていました。

 

小学5年生の男児を対象とした実験で

2人がペアになって課題を解くことが要求され

 

競争条件では、2人のうち成績が良かった方が

「勝ち」となり、事前に勝った方に

ご褒美としてちょっとしたオモチャが

貰える事が告げられ

 

非競争条件では、勝ち負けはなく

研究に協力したお礼として2人ともに

オモチャが貰えることになっていました。

 

どちらの条件でも、1つ課題を解いた後

実験者から2人の成績が読み上げられ

 

実験場面についての感想を

いろいろな角度で質問する形式のものです。

 

その結果を少し長いですが引用したいと思います。

<自分や相手の成績をどう評価するかについての

結果も興味深いものだった。

 

これは、10個の金星を提示し、

それぞれの子どもに、自分は何個の金星を得るのに

ふさわしいと思うか、相手の子はどのくらいだと思うか、

とたずねたのである。

 

その結果は、競争、非競争の両条件とも、

成績のよかった者が、わるかった者より、

よりたくさんの金星をもらうのにふさわしいと

考える傾向があった。

これはある意味で、あたりまえの結果である。

 

注目すべきなのは、成績のよかった者と

わるかった者のあいだでの賞の差が、

競争条件のほうではより著しかったことである。

 

つまり、競争条件では、勝てば、

必要以上に自分をえらいと思い、

とてもたくさんの賞を自分に与える。

 

そして負けた者へは賞を非常に少なくし、

その価値をひどく低く見積もるのである。

 

では、自分が負けたときはどうか。

このときは、自分に与える賞を

ひどく少なくする。いいかえれば、

自分の能力のなさを必要以上に

責めるという傾向がみられた。

 

いわば、結果(勝ち負け)によって、

一喜一憂するのである。

 

非競争的条件では、そうした激しい

コントラストはみられなかった。

 

ここでみられた結果は、その後の研究でも

繰り返し確認されている。>(P78)

とあります。

 

競争という条件下において

私たちの自己評価がいかに影響を受けるか

ということが、これらの実験によって

明らかにされています。

 

振り返ると、私たちは

教育課程で常に評価にさらされ

順位付けという競争にさらされ

 

社会に出ては

会社の評価や成績での競争があり

 

その為に、自分自身に対する

正当な自己評価を

狂わせてしまっているのではないでしょうか。

 

#124にあるように

<ありのままの自分で、本来の自分で
情熱を注げる事、 挑戦し甲斐のある事に
チャレンジする>為には

 

他者と比べたり、競争する事から

距離を置くことが有効なのではないでしょうか。