#140 自律性 7 | 心の赴くままに

心の赴くままに

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これまでの投稿で見てきた様に

物質的な報酬や外的評価が

自律性の感覚を喪失させやすいのは、

 

それらを得る為に

自分が源泉ではないところで

努力をしなければならないという側面も

あるのではないでしょうか。

 

本来、自分が好きな事や

情熱を感じる事をやっている時

努力はむしろ楽しみの一つになると思います。

 

しかし、自分が源泉でないところで

努力をする場合、それは苦労や忍耐と

感じるのではないでしょうか。

 

さらに、報酬や評価以外でも

努力を楽しむ事ができなくなる状況があります。

それは「競争が強調される」ときです。

 

前出の「無気力の心理学」(#106)の本の中で

いくつかの実験を取り上げ

 

<非競争条件では、

自分はよくやったという満足感は、

自分がどれほど努力したか、
その自己評価と対応していた。

すなわち、満足だったと思う者は、
自分がとてもよく努力したと

自己評価する傾向があった。

(中略)ところが、競争条件では、
満足感と努力の自己評価のあいだに、
そのような関係はみられなかった。

 

そのかわりにみられたのは、
自分の能力の高さと運のよさの自己評価が
満足感と大いに関係がある、ということだった。>
(P78)とあります。

 

つまり、競争がない場合

自分が努力したという過程を

評価する傾向が高く

 

競争が強調される状況下では

自分の能力や運など

結果を重視する傾向が高くなるという事です。

 

前出の本では、さらに

<競争が強調される文脈では、
人々が結果思考になる事がよくわかる。
 
しかも、この結果は、自分の意志では
変えることのむずかしい「能力」や「運」によって
決まっていると考えるようになるのである。
 
この意味で、競争を強調する文脈は、
効力感どころか無力感を生みやすい素地を
多くもっているといえよう。>(P79)
とあります。
 
これらからわかる様に
競争が無ければ、結果にこだわらずに
過程を楽しむ事ができ
 
競争の中では、結果にこだわり
さらに結果を自分でコントロールできないと
捉える傾向が高くなり
 
#109にある様に、原因をどこに求めるかによって
行動の仕方に影響を与え
意欲の喪失に繋がるのではないでしょうか。