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これは落語を題材にした小説だろうと手に取った一冊。和田はつ子とはお初の作家だ。

まだ、落語が落語と呼ばれる前の、落とし噺と言われていた時代の物語。三楽亭仙朝は師匠の遊仙なき後の三楽亭の後継者として注目されている噺家で、師匠の家に遊仙の幽霊が出るという噂が流れて、久しぶりに師匠の家にご機嫌伺いをしてみると、何やら土蔵を借りている物好きな人がいると言うし、周囲の店子たちが幽霊騒ぎを恐れて、引っ越していると言う。

これは何か裏があると仙朝が勘ぐっていると、案の定、人殺しが起きたり、金持ちの家からお宝が盗まれたり、岡っ引きが殺されたりと事件が相次ぎ、仙朝らが鬼百合という盗賊団の仕業であると事件を読み解くというミステリーとなっている。

仙朝とは三遊亭円朝のことであり、落語に舞台の大仕掛けを取り込んだ名人を題材としている。四谷怪談、高田馬場、疝気の虫、お直し、芝浜、崇徳院、文違い、黄金餅と落語のネタが存分に登場する。噺まみれとつけた題はここから来ている。

噺を深く理解すれば、この物語を充分味わいつくすことができるのだろう。私はまだ浅い理解しかできていないかもしれない。