私が受けていた治療は
「1カ月1クールで、2剤を1週間おきに投与する」
ものでした。
いよいよ、抗がん剤治療の最終日の朝を迎えました。
朝5時前に目を覚まし、「今日で4クール終わり・・・」
と思いながら、家事を進めました。
子どもたちを送り出し、朝ドラを観たら出発準備!
そう決めて動いていたのに、「あれっ・・・」
朝ドラが終わっても、「身体が動かな~~~い!」
「準備しなきゃ」という気も、ない。
ある意味「無の境地・・・」
「どうしたんだ、わたし・・・ 動かないと・・・」
動かない身体を無理やり動かしながら身支度し、
車に乗り込みました。
車に乗るとからだは普通に動き出し、
気持ちも穏やかに一路病院へ。
ところが、病院まであと1Kmというところで、
異変がおきました。
胸騒ぎの様な、不安とも何とも言えないものが湧き上がり、
こみ上げてきたのです。
「えっ、どうした・・・」「気持ち悪い・・・」
「止まるか・・・、いや止まったら動けなくなりそう・・・」
思いもかけない非常事態発生。
それでも車を操り、無事駐車場にIN!!
受診に必要なバッグをひっつかみ、車を降りました。
病院まで数百メートル。足取りはフラフラ、トボトボ。
信号機が一つある。
横断歩道を渡り切れるかどうか、自信がない。
「あ・・・っ、赤信号・・・・・」
「今倒れたら、だれか目の前の病院に運んでくれるのだろうか・・・。」
そう思いながら青信号を待ち、ふらふらと受付を目指しました。
病院に着くと、受付に診察券その他を放り投げ
「トイレにいきます!!」と叫びました。
それからしばらくトイレにこもり、落着くのを待ちました。
そしてその後、万が一に備えトイレに近い待合席に陣取り
呼び出しを待つあいだ、あることを考えていました。
ほどなく、診察室に呼ばれました。
きっと受付の人が通報したのでしょう。
「どうですか。」と、主治医。
私は、朝の一連のできごとを伝えました。
「そうでしたか。それは『予期嘔吐』というものですね。」
「それほど治療がつらいということですね。」
先生の言葉を聞いて、私は思いを伝えてみようと思いました。
・今日は、治療をしたくないこと。
・治療したら死にそうな気がすること。
・もし、治療を先延ばしできるなら、猶予はどのくらいあるのか。
先生は黙って話を聴き「治療は、今日以降にずらせない」と、静かに言いました。
私の気持ちは、決まりました。
「今日は治療しません。できません。もし再発しても先生のせいではありません。決めたのは私です。だから治療中止でお願いします。」
主治医は静かにうなずき、こう言いました。
「分かりました。大変な治療でしたね。ここまで頑張ったのです。
治療の効果はあると思います。あとは経過を見ていきましょう。」
この言葉を聞いたとき、涙があふれ出て止まりませんでした。
先生に、私の気持ちを受け止めてもらえたように感じたのです。
涙が止まったころ、吐き気や胸の震え、手の震えがピタリと止まりました。
私にとっては「良くなるための治療ではあるけれど、とてつもないストレス」だったのだと、思い知りました。
帰りの気分は、少し晴れやかでした。
でも、家族には治療を中止したことは言えませんでした。
次回は「治療中断後の家庭生活と職場復帰に向けた生活」について書いていきます。
Terubo86、まだまだジタバタしていきます。お楽しみに。
🕊️ teruboのひとこと
この章を書きながら「当時の感情」を再確認しました。
自分の中では「その都度、当時の感情を処理して来たつもり」
でしたが、そうではなかったことに気づきました。
心のどこかで、治療中断をした事への「不安や罪悪感」のような
ものを、持ち続けてきたことにも気づきました。
15年目の振り返りは、私にとって必要で重要なことだったのだ
と実感しています。
そして今、私は「あの日の決断は正しかったし、必要な選択だっ
た。」と思っています。
不安や迷いの中にいるあなたへ。
「ジタバタしている自分も悪くない」そう思ってください。
そのジタバタこそ、あなたが“生きようとしている”証です。
ジタバタしながらでも「自分の思いを口にして、周りや自分に
伝えていくこと」そして何よりも「それを自分自身が受け止める
こと」が、とても大事なことだと思います。
生命力を改善する方法
自分の気持ちを言葉に出して、からだの外に出しましょう。
そして、そっと自分を抱きしめて「よく頑張ってきたね」と声を
かけてください。
📖これまでの記事
🩺 第1章:告知の日、心が止まったあの日
💧 第2章:手術に向けて、涙と覚悟のあいだで
🌸 第3章:退院の日、思わぬ“自由”の重さ
🔥 第4章:抗がん剤治療に向かうジタバタな日々
🌈 第5章:抗がん剤治療開始の日。心の中で起きた小さな変化
第6章:抗がん剤治療が始まる カーテンの向こうから聞 こえ
たエール
第7章:抗がん剤治療中、隔離される
第8章:つかのまの休息
第9章:2回目以降の抗がん剤治療で砕かれた自信
第10章:家に帰っても続く戦い
第11章:予想もしなかった治療最終日の出来事「予期嘔吐」
(↑今ここ)
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も覗いてみてください。