最初から設定やライティングが分かっていれば案外撮れます 

今日は、たまには水中写真家らしく水中撮影の事について書こうと思います。

 

いきなり結論から言ってしまいますが、水中写真も最初からカメラの設定、ストロボの設定、当て方さえ分かっていれば、案外撮れます。

要は、シャッターを切るだけになるので、後はどう切り抜くかになります。

 

水中写真だけのことでは無いですが、撮る被写体、撮る海の環境によってカメラ側設定、ストロボの光量設定、ライティングの角度等、違います。

例えば、ワイドでも群全体を撮る時と、被写体を近くで撮る時と比べても、カメラ側の設定、ストロボの設定、ストロボの角度等、その撮影に適した設定があります。

【メキシコLa Pazにて】

 

同様にマクロ撮影でも、例えばハゼ科を撮る時と、珊瑚の周りを泳ぐ幼魚等を撮る時とでは諸々の設定が変わります。

特にライティングに関してはマクロ撮影では様々な光の取り回し方が必要となります。

【奄美大島にて】

 

ただ、最初から撮る被写体を決めている場合、その撮影に適したカメラ側設定、ストロボの光量設定、ストロボを当てる角度、位置などがある程度決まっています。

僕の場合であれば、今までに撮影してきた経験から、ワイドでもマクロでも、その被写体毎の撮影に適した基準となる設定データが頭にいくつもありますので、後は水中で撮った写真を見て、調整をしていくだけです。

 

つまり、その基準値となる撮影設定を最初から全てお伝えして準備すれば、誰にでも最初からある程度撮れますというお話です。

※構図や切り抜き方によって変わります。

 

少し脱線しますが、今までもブログで書いている通り、僕自身は陸ではカメラをやった事はありませんでした。

そんな僕は、まだ水中写真を撮り始めてから10年経っていません。

ダイビング本数も2000本少々程度です。※職業水中写真としては少ないです。

ただ、その全てをカメラを持って入りシャッターを切ってきました。

 

水中写真家の記事については下記ページをご参考にしてください。

 

僕自身の軸は、ワイドもマクロも満遍なく撮れる写真家である事です。

その為に、ダイビングスキルの向上も同時にやってきました。

特に、激しく流れる上級ポイントで如何にワイド写真を切り撮れるか?をテーマにして、神子元島でのハンマーヘッド撮影には熱を入れたものです。

【神子元島にて】

※群れ感だけでなくハンマーの美しさを表現したかった

 

お陰様で、ワイドもマクロも、今では冷静にカメラの設定やライティングに集中できる余裕、対応できるようになっています。

つまり水中写真の上達にはダイビングスキルを磨く事がとっても大切なのです。

 

さて話を戻しますが、今日のお話は水中写真です。

僕が今まで撮影してきた設定データそのものが、僕にとっては財産でもあり、これらがあるからこそ

『最初から誰でもある程度は撮れます』

と自信を持って言えます。

 

僕のテクニカルセミナー(以下、セミナー)では、この設定を全て教えています。

もちろん一度に全てをお伝えする事は難しいですが、ある程度の基準がわかれば、誰でもそこそこ最初から撮れるわけです。

そして、そこから応用しながら、いずれコントロールできるようになっていきます。

 

今日はそんな理屈から説明しています。

皆様の少しでもヒントになってくれれば嬉しく思います。

【石垣島・小浜島沖】

 

コンデジでもフルサイズに見劣りしない作品は撮れます 

先日、知人と話をしていて『TGなのでTERUさんみたいな一眼レフでも無いし・・・まずはこれで練習なので一眼の様な写真はまだまだ…』

という意見を聞きました。

※プロの水中写真家云々のお話ではなく、一眼でないとそもそも撮りたいような写真は撮れないというお考えです。

 

けど、ストロボも持っていらっしゃるし、そもそもワイドの写真を撮っている方です。

間違いなく、設定とライティングさえしっかりとやれば、確実に一眼レフでのお写真にも見劣りしない写真も撮れますし、表現はできます。

 

あくまで、どこまで求めるかは、ご本人次第ですし、人によって考えが固まってしまってる場合もあるので、僕から押し付ける事も出来ませんし、それ以上のお話はしませんでした。

しかし『本当に勿体無いなぁ…』と感じました。

【八重山諸島・黒島】

 

確かに、フルサイズとなると画質もいいですし、大きく引き伸ばせばその違いは歴然と出ます。

また、焦点距離や画角等、レンズによっての違いや、センサーサイズの違いにより、表現される作風も変わって来ます。

ただ今日は、細かな専門的な話は端折ります。

 

僕はワイド撮影時、できるだけトリミングはしない事を意識しながら撮影していますが、それはフォトプレート用の作品の場合であって、SNS用のお写真であれば、ワイド写真でもトリミングされてる方は実際多いです。

僕自身もSNSでの投稿程度ならトリミングはします。

そんな時に、フルサイズですと画質が保たれる等はあります。

 

ただ、例えばInstagramの画像投稿に最適なサイズは

  • 正方形(1:1):1080×1080ピクセル
  • 横長(1.91:1):1080×566ピクセル
  • 縦長(4:5):1080×1350ピクセル

です。

つまり、SNSでアップする程度ならコンデジでも充分なサイズとなります。

 

サイズを気にしなくて良いのであれば、後はどう撮影するか?

一番大切なのはライティングであって、しっかりとストロボの光が当たっていれば、その後現像編集で充分素敵なお写真になります。

つまり、TGシリーズの様な『コンデジ&ワイドコンバージョンレンズ&ストロボ』でも、いい作品は撮れるのです。

※データ保存についてはRAWにて。

【奄美大島にて】

 

確かに、自然光も生かした写真であったり、レンズの特性を生かした表現等、幅広い表現まで求めるとなると、コンデジではその表現に限界はありますし、マクロ撮影時に開放寄りのボケ感を出す作風で撮る場合は、コンデジでは難しいのも事実です。

しかし、ワイドの撮影であれば、コンデジでも見劣りしない作品は撮れます。

これは、自信を持って言えます。

素直に吸収できる人は、遠回りせずぐんぐん伸びていくことは間違いなく言えると思います。

 

確かに、皆がプロの写真家になる事を求めているわけではありません。

求めるレベルについても個々に違うと思います。

けど、それでも人は皆、ご自身が想像以上の作品が撮れていた時、とっても嬉しそうに笑顔を見せてくれます。

僕は、その笑顔が何よりも嬉しいのです。

だからこそ、僕のテクニカルセミナーでは、ご自身の想像以上の作品を撮って頂くことを目標としています。

【西陽が作り出す海中世界・石垣島にて】

 

後に書きますが、ストロボを被写体にしっかりと当てることで、明暗をハッキリする事が出来て立体感が生まれます。

ライティングの大切さです。

 

納得いく写真を撮る近道とは? 

 自身での納得とは、自身で好きな作風のお写真が撮れると言うことだと思います。

ですので1番の近道は、ご自身が好きな作風のお写真を撮ってる方に教わる事です。

写真の表現には、撮られている方々によって、カメラ側の設定や、ライティング方法、撮り終えた後の現像編集方法等、個々に違います。

 

例えば、マクロ撮影時においても、自然光も入れながら全体を引きで撮ってる作風、自然光は入れずにストロボのライトのみで表現する作風、被写体に寄り切ってボカして撮る作風等、さまざまです。

【石垣島にて】

 

この作風の違いによって、カメラ側の設定は違って来ます。

つまり、ご自身が撮りたいと思っている写真を撮っている方に、設定を聞き、撮り方を聞き、ライティングの方法を聞く事は、撮影方法の答えを聞く事になります。

あとは、ご本人がどうシャッターを切るかだけになります。

※マクロで開放での写真を撮る際は、角度によってボケ感等が変わるので、テクニカルセミナーの際に説明しています。

 

ただ、作風の違うお写真を撮ってる方に、それぞれ聞いても設定から何から違います。

たまに、行く先々で撮り方を聞く方もお見かけしますが、そもそもが、その作品によって撮り方が違うので、聞けば聞くほど分からなくなり、迷走し、結局は思うような写真が撮れず遠回りすることになります。

 

まずは『こういうお写真が撮りたい』と思う作風を一点に絞る。

そして、その撮りたい作品を撮っている方を自身で決めて、もしその方がセミナー等やっているようなら参加してみる。

一つの作風をご自身でコントロール出来る様になった時には、違った作風についても撮る為に必要な事が自然と身についているものです。

最初は皆、誰でも真似から始めます。

それが一番の近道となるでしょう。

【石垣島にて

 

では実際にフルサイズ一眼以外でどこまで撮れてるの? 

さて、それでは実際のところどんな作品が撮れるのか?

今までに、ご参加くださった方達や、少しアドバイスをした方のお写真をいくつかお借りしてアップいたします。

但し、お写真は私TERU KUDOによって現像編集しています。

※現像編集については、違う機会に改めて記事を書かせていただきます。

詳しいカメラの設定については、テクニカルセミナーの関係上書きませんが、各カメラ、レンズ、海の状況によって変えています。

 

例1)千葉県館山市伊戸・BOMMIEにて

カメラ  Panasonic GX7MK2

ストロボ YSD2×2灯

最初は、ご本人の考えた設定での撮影をしてもらいました。

しかし、この日は海中の濁りも結構あり、また少し海中が暗かった為、なかなか思うように撮れていない様子が水中で伺えました。

 

この方のカメラは、マイクロフォーサーズですが、この時の状況に合わせてシャッタースピード、絞り、ISOを僕の方で調整。

ストロボの位置、撮られている被写体との距離からの角度、光量の調整をしました。

設定は、カメラ、ストロボ共にマニュアルとなります。

その後、上記のようなお写真を連発して撮られていました。

※画角については縦横比を2×3にトリミングしています。

 

例2)沖縄県粟国村・筆ん崎にて

カメラ  Panasonic GX7MK2

ストロボ Z330×2灯

昨年、少しの期間だけですが、アシスタントとして働いて下さった和美さん。

ガイドさんという事もあって、水中でのスキルは勿論ですが、生き物との向き合い方をよくご存知の方でした。

ただ、写真については、今までTGを片手にストロボも無しで撮る程度でした。

 

この時も前回同様のカメラでしたが、カメラ側設定、ストロボの設定、そしてアームからストロボの角度まで全て僕の方で調整。

シャッターを切るだけの状態でお渡ししましたが、切り取り方が素晴らしかった。

こちらの作品には、僕もドキッとしました。

 

因みに、マイクロフォーサーズはフルサイズ換算で約2倍となるので、実は単純にフルサイズでの撮影より寄り切れていなくても、大きく撮ることができます。

ですので、大きく引き伸ばすわけでなければ、例えば神子元のハンマーや、粟国島等、流れが激しく寄り切るのが難しい海では、APS-Cやマイクロフォーサーズ等のミラーレスの方が、実は写真は撮りやすいです。

何より、初めてでもこのくらいは撮れるという事を、分かって頂ける作品だと思います。

 

例3)沖縄県粟国村・筆ん崎にて

カメラ  OLYMPUS TG-6

ストロボ Z330×1灯

この方は、今回の粟国島でご一緒した方になります。

元々友人だったので、ストロボの角度、ストロボのマニュアルでの設定方法等を軽くお伝えしました。

 

ここで、少し余談ですが、Z330の使い方を知らない方を結構お見かけするので、1点だけ初歩的なことを書きます。

Z330のマニュアル撮影では、ダイヤルをMの位置にするだけではダメです笑

ターゲットライトボタンの反対側のボタンを押し込み回して固定する必要があります。

 

さて、テクニカルセミナーでは無かったので、詳しいことはお伝えしていませんでしたが、コンデジにワイコン、ストロボ1灯でも、このような素晴らしいお写真は撮れます。

勿論現像方法で表現は変わりますが、撮影に関してだけ言えば、基本的なことを知っているかどうか?なだけです。

ちなみに、画角については縦横比を2×3にトリミングしていますが、SNSでアップするには充分な大きさは保たれています。

 

この他、TGシリーズでのストロボ無し自然光でのお写真についても、前回のホエールツアー②の記事に、お客様のTGでのお写真をアップしていますので、ぜひご参考ください。

 

 

 

最後にライティングの重要性、そしてその違いとは? 

最後に少しだけ、ライティングのヒントとして、お写真をアップしながら書いていこうと思います。

 

【今期粟国島・筆ん崎にて】

 

乗り合いで船に乗っていると、フォト派の方ともご一緒する時がありますし、水中でご一緒することもあります。

一番気になるのが

『ストロボの角度、アームの角度や長さ、それらが全く被写体の方へ当たっていない』

方が、思いのほか多いことです。

例えば大きな群れを全体的に写すのであれば、確かに『当たってはいるだろうな』と思います。

しかし、被写体と接近したお写真を撮る場合に、全くストロボの角度を気にしていない方が、意外に多いのです。

これは、本当にもったいないな・・・といつも見ています。

 

では、きちんと被写体に光が当たっていない作品とは、どんな作品になるか?

現像編集時に露出を無理に上げて、全体的に明るいお写真の表現しか出来なくなります。

 

これは現像方法の一例にもなってしまいますが、例えば水面ギリギリを泳ぐマンタをストロボ無しで撮った写真を例にアップ致します。

①現像前

 

②現像後

 

このように、自然光の当たる水面付近の被写体の写真なら、現像編集である程度は見れる写真にまでは再現できます。

※現像についてもリクエストベースでセミナー受け付けています。

 

念の為、この時ストロボ有りで撮影したのが

③ストロボ有り

 

こんな感じになります。

確かに、イルカの撮影やクジラの撮影ではそもそもストロボは禁止ですし、海面や浅い海域での撮影であれば、自然光が当たっている為、現像時にきちんと再現は出来ます。

 

但し、海中深く潜っている場合、きちんとストロボを当てていないと、魚本来の色は出ません。

そのため、露出を後から上げても、全体的にのっぺりとした写真になってしまいます。

 

【メキシコLa Pazにて】

このような被写体が群れで、全体的に光を回したい時は、ライティングも出来ている方は多いと思います。

 

【メキシコLa Pazにて】

けどこう言った、被写体がポートギリギリの位置まで来た際、ストロボの位置が被写体に向いていない方を、よくお見かけします。

結果、現像編集時に露出を上げて、全体が明るいだけのお写真になってしまいます。

 

確かに、水面近くの自然光が当たっている環境であれば、ストロボは入らないとも思いますし、無しの方がリアルな表現になる事もあります。

その辺は個々の好みではありますが、因みに僕の場合は、ストロボ有りと無し、両方撮ることがあります。

 

ただ、水中へ潜っての撮影となると、やはりストロボによって美しい彩豊かな世界を表現できます。

その為にもライティングは非常に大切だと思っています。

 

これらのライティングの基本はマクロ撮影が重要で、マクロ撮影でのライティングはより細かく光の取り回しもシビアになります。

マクロで光の取り回しができるようになると、間違いなくワイド撮影での撮れ高は上がると思います。

 

さて今日は『最初から誰でもある程度は撮れます』と、『コンデジでもフルサイズに見劣りしない写真は撮れる』を軸のテーマとしながら書いてきました。

 

僕がコンデジでの撮影をしていないので、比較写真のデータが少ないこと恐縮ですが、理屈を理解して頂ければコンデジユーザーの方もこれからまだまだお写真の可能性を感じ、楽しめると思います。

【石垣島北部にて】

 

皆様にとって、少しだけでもヒントになってくれたら嬉しく思います。

そして、せっかく水中で撮影する機材をご購入された方々が、海を楽しみながら好きなお写真が撮れること、僕も願っています。

 

僕のテクニカルセミナーでは、フルサイズ一眼の貸し出し(Canon5D mark Ⅳ、Z330、ノーティカムハウジング)もしています。

あくまで僕の撮っている様な写真を撮るための設定、ライティング説明とはなりますが、セミナー中にご自身で撮りたいお写真が、一枚でも多く撮って貰う事を目標にしています。

リクエストベースで受けていますので、ご遠慮なくメール、もしくはInstagramのDMでご相談ください。

 

それでは、今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。