毎年、この時期に日本へ訪れるザトウクジラ達。
ここ数年で、ホエールスイムは奄美大島、沖縄本島共に人気のレジャーとなって、ザトウクジラ達の素晴らしいお写真をSNS等で沢山見かけるようになりました。
僕自身もザトウクジラと出会ってからその姿に魅了され、毎年予約の許される範囲で撮影をさせて頂いています。
奄美大島のクジラの事も少し書いていますので、下記ページも是非ご覧になって下さい。
さて、2023年もいよいよ始まったザトウクジラのシーズン。
僕は、石垣島のマンタの撮影から沖縄本島へ寄り道をしながら奄美大島にホエール撮影へと行って来ました。
ちなみに沖縄本島でもホエール撮影をして来ましたが、それはまた別の記事でアップしたいと思います。
今日の記事は、奄美大島での撮影のお写真を振り返りながら、来月開催する僕のホエールツアーご参加者様、今後ご参加を検討して下さっている方に向けて、書いていこうと思います。
何故なら、『自分だけが撮れれば良い』『私だけが見れれば良い』ではなく、全員が皆で素晴らしい出会いをして、皆に笑顔になっていただきたいからです。
そこで、
『生き物に対する尊厳を重んじるとは』
『自然世界に生きる生物を撮るという事とは』
この2点のテーマについて、僕の考えを書かせて頂こうと思います。
そして、それは結果的にお写真や動画を撮る上でとっても大切な事だと僕は思っています。
ただ、決して僕の考え方を肯定している訳でも、押し付けている訳でもありません。
競争心の強い勝ち負けに重きを置いている方とは真逆の考えですので、ご興味ある方だけに最後まで読んで頂けたら嬉しく思います。
※違うお考えの方を否定もしていません。
【お母さんは目を瞑りながら子供と一緒に浮上しています。幸せそうで愛に満ちている親子】
最初に、今年の奄美大島ホエール初回も、いつもホエールだけでなくダイビング撮影でも大変お世話になっている
【奄美大島ダイビングショップ アクアダイブコホロ】さんへ行って来ました。
僕の来月のチャーターツアーも、アクアダイブコホロさんでお世話になります。
ちなみに、アクアダイブコホロの太田 健二郎 船長は、奄美大島ホエールスイムの草分け的存在のお一人です。
常にクジラの事、また生き物側に立ったお考えをお持ちで、操船に対してもスイムに対しても、出来る限り生き物にストレスを掛けない事に真剣に取り組まれている素晴らしい船長さんです。
その上で、我々ゲスト達とクジラを会わせてあげようと、いつも考えながら操船しクジラを探して下さいます。
そしてガイドの早樋さんも、クジラの水中チェック、エントリーできるタイミングをしっかりと見計らってゲスト達をクジラへと導いてくれます。
この入水させるタイミングも、ゲスト全員にクジラを見せる為には、とっても重要な事です。
そんな太田船長と早樋さんの絶妙なチームワークにより、アクアダイブコホロさんはとっても人気のショップさんです。
ぜひ皆様も一度行かれて見て欲しいと思います。
『生き物に対する尊厳を重んじるとは何か』そして『自然世界に生きる生物を撮るという事』
生き物に対する尊厳を重んじるとは
最初に
人の本質は、なかなか変わらないし、その人の本質は、海での行動で中身が全て丸見えです。
僕も人として未熟でダメな人間だけれど、せめて海の生物に対してだけは優しい人でありたい。
写真という作品だけでも優しさを伝えられるそんな写真家でありたい。
と僕は思っています。
同じ様なことを、何度も他の記事でも書いている事ですが、僕達人間は、海の世界ではただ邪魔な存在に過ぎません。
海へ入るということは、他人の家にお邪魔している事と同じなんですよね。
そんな海へお邪魔させて頂き、何ならお写真まで撮らせて貰っているわけです。
これ、人間同士の世界でやっていたら、かなりやばい事をしていますよね。
なかなか、全員が同じ考えの方々と船でご一緒になる事はほぼ皆無なので、撮影するとなるとなかなか厳しい状況もあったりしますが、そこも時の運と思うようにしています。
けど、せっかく船長さんや、ガイドさん達が見つけてくれたクジラとのスイム。
言われたルールを守るのが礼儀だと僕は思っています。
ルールを破り、クジラと泳ぐチャンスが減ってしまったら、それこそ失礼だと思うんですよね。
自分自身の行動は、他人を誤魔化せていたとしても、心の中でご自身が一番分かっている事だと思います。
勿論、僕にも気持ちは分かります。
良いポジションだと自身で判断して待っていても、クジラが上がってくる所が別の人の位置なんてことは多々あります。
けど、クジラが浮上を始めて泳ぐのは奄美大島ではルール違反ですし、その位置に向かって泳いでいけば、そこで待っている人への割り込みやカットインに繋がります。
こられた側も、結果画角を変えるために動く事にになってしまいます。
けど、それでもこられた側も我慢して動かないが正解です。
【絶好のチャンスに恵まれる時もあります。後は人がいなければ!次のチャンスへ】
実際、僕自身もまだ未熟で、良いところで人に来られると動きたくなりますし、実際動いてしまった事もありました。
すぐに踏み止まりましたが、正直諦める気持ちにシフトする事がしんどかったりもします。
僕の場合、スポンサーへの納品分の作品も必要だったり、プレート販売用の作品としていくつかは撮っておきたい気持ちもあるので、なかなか割り切るのも大変ですが…。
ただ、そういった経験も、僕のツアー時のメンバーへの説明に役立つので、勉強だと思うようにしています。
ただ、そういった事が続けば、クジラを見て観察すると同時に、そういう方の動向も見ながら、なんとか離れるように動く事となって、なかなかクジラへの集中ができなくなります。
全員が『今回自分の前に上がってこなくても次回に期待して、その回は近くにいる人に撮らせてあげよう』と思えるかどうか?
ただそれだけなんですけどね。
というより、それがルールなのです。
【待っているだけでこんな風にクジラの方から来る時もあります】
※泳いでる方は、写真を見返すと分かってしまいます。
余談ですが、那覇のホエールでは、エントリー順で入水したら基本泳ぐ事も禁止です。
横に並んで待っている時、やはり横の方が徐々に僕の前に・・・という状況が多々ありました。
特に、GoProを手で持たれている方が横にいらっしゃる場合は、必ず腕から棒がニョキっと画角に入ってしまいます。
そこで、僕は出来るだけ皆さんから離れるよう最後尾で遅くエントリーしていました。
しかし、前の順でエントリーした際、人が画角に入らない様位置どりしようとしましたが、その動きがクジラへ向かって泳いでいるように見えた様で、一度ガイドさんから『泳がないで』と指摘されました。
この場合は、エントリー順の運が無かったと、諦めるべきだったと反省しました。
僕も人間がまだまだ未熟です。
全員がルールを守りさえすれば、クジラへ対してのストレス軽減に繋がり、その分スイムのチャンスも増えます。
そして、それが他人を邪魔をする事も、他人から邪魔される事も無くなることに繋がります。
ホエールスイムは、『チーム一丸!』というものがとっても大事になるレジャーだと思います。
皆が一丸となりルールを守っていると、素晴らしいクジラとの出会いが出来るなんて、素敵なレジャーですよね。
我々人間が海へと入る時。
生き物達への尊厳を重んじてさえいれば、『我こそが!』という気持ちもなくなりますし、その為に長年経験をされてきたショップさんや、現地の協会等でルールを決めている訳です。
生き物達への配慮は、周りの方々への配慮へとも繋がり、結果的には自分にもチャンスが増えるという恩恵を受ける事にもなります。
僕自身も記事を書きながら、改めて噛み締めている事ですが、常に海の生き物達に対して、優しい気持ちと謙虚な気持ちで、向き合っていたいと僕は思います。
そして、ご自身で思い当たる方は、一度振り返ってみる事も必要だと思います。
自然世界に生きる生物を撮るという事とは
そもそも、水中だけに関わらず、自然世界に生きる生物との出会い、そして撮るという事は奇跡的な運命のようなものです。
特にクジラのように世界の海を旅している生き物と、大きな海で出会い、さらには水中で出会う事自体が凄い奇跡な訳です。
その奇跡的な出会いをしている生き物を、写真や動画で収めたいという一心のみで、追いかけまわすということ自体が人間のエゴに過ぎないと僕は思うのです。
クジラは我々人間と同じく哺乳類です。
動物には様々な表情があり、感情もあります。
愛くるしい眼差しや、愛ある行動を取っていたりもしています。
私たち人間が、親や子、人を愛し生活をしているのと同じく、クジラ達も海という生活する世界の中で、様々なストーリーや運命を生きています。
【母クジラと子クジラは寄り添い合いながら会話をしている】
母クジラは、子クジラが大海で生きていくために、およそ1年ほどかけて育てます。
まだまだ小さな子クジラを母クジラはその大きな体で守りながら、つぶらな瞳で見つめていたりします。
【子を見つめる母の目は、とっても愛情に満ちているように僕には映った】
この母クジラは美人さんですよね?笑
子供はまだまだ息が浅いので、海面への浮上を何度も繰り返します。
【しっかりとお母さんに甘えながら浮上してきます】
そして、そんな自然で生きるクジラ達の様子は何も親子だけではありません。
ここ奄美大島には、繁殖のためパートナーを見つけにやってくる雄と雌もいます。
動物の世界では、我々人間の様な言葉はないですし、本能だけで生きている事は確かです。
それでも、この2頭のペアクジラは、僕には愛ある行動の様に見えて仕方なかった。
【1頭のクジラかと思って見ていたら、下にピタッと重なり止まっているもう1頭のクジラがいた】
この2頭のクジラは常に水中ではピタッと重なり、浮上する際は手と手を取り合いながら仲良く上がってくる。
まさにエスコート。
なんなら僕なんかよりもずっと紳士だなんて感じたりもしました。
そんな様子を見ていて、僕は我々人間と同じく愛というものを感じずにはいられなかった。
【どんだけ仲良しなんですか?と突っ込みたくなりましたが】
こういったクジラ達の姿を見ていても、僕にはその生き物達を脅かすことは出来ないと改めて思う。
謙虚な気持ちで、やさしい気持ちでその生活を覗かせてもらっていて、クジラ達がリラックスしている状態だからこそ、そんな様子を写真に収めて、伝えられるものがあると思うんです。
追いかけまわし、ストレスをかけてまで、撮ることの意味は?
僕には無いと思う。
野性の生物を撮るということは、生きている生物の自然な営みや状態との運命的な奇跡の出会いを写すということ。
迫力のある作品も確かに素晴らしいと思いますし、僕自身もそういった瞬間に出会えた時は、迷わず撮ります。
しかし、それはあくまで偶然が産んでくれた運に恵まれた時だけです。
長々と書いてきましたが、とっても大切にして欲しい二つのことを書かせて貰いました。
さて、初回の奄美大島でのクジラとの出会いは、初日は親子くじらとの出会い。
2日目はペアクジラとの出会いでした。
初日も、2日目もどちらも水中でピタッと止まっている状況で、アクアダイブコホロでも両日ともに各6回一緒に泳ぐことが出来ました。
少しだけその2日間のお写真もアップしておこうと思います。
2023年2月7日・1日目 【海中でリラックスして過ごす親子と出会う】
大島海峡を出てすぐ、他船の船から『親子が止まっている!』との情報を得たようで、すぐにそこへ向かってくれた。
出航して僅か30分程度。
なんて幸先良い初日なんだろう!と、僕の心は踊りまくっています。
程なくして到着し、皆でエントリーするとそこには海中でピタッと止まっている親子がいました。
【母は子を頭の上に乗せています】
しばらくすると、子クジラは自分だけで水面へ浮上してくる様になりました。
そして子クジラは僕たちの周りを周りだしたり、アクションをし始めます。
【まだまだ小さな子クジラだけれど、それでも水を切る様子は迫力あります】
人がどうしても入ってしまう時は、何かしら表現方法はないかな??なんて考えて、今期試験的に取り入れようと思っている『ゴースト撮り』
※あえてゴーストが出るように角度をつけて構図に入れます笑
を試してみたり。
【精度をも少し上げたいところです】
まだまだアップしきれないほどの光景を見せてもらい、そんな様子を撮影させて貰いました。
2023年2月8日・2日目 【海中でピッタリと寄り添うペアクジラと出会う】
この日は、太田船長のご判断で、他船とは別のルートでクジラ達を探すことになりました。
出向して2時間程度の頃。
遠くにブリーチ後の様な大きな水飛沫が上がっているのを見た。
思わず、ガイドの早樋さんに『あの辺で上がったと思う』と伝えると、太田船長も確かに『ブローが見える』と仰って、急行することに。
すると大きなブローが上がった。ペアだ!!
内心、ホッとしている自分がいましたが、ペアクジラとの出会いに期待が膨らみます。
太田船長から、『止まってるから入ろう』との言葉と共に皆準備しエントリー。
最初は1頭しか目視できなかった。
ところが、しばらくするクジラの下から頭が見え始め一緒に上がってきた
【仲良く重なり上がる素敵な光景】
まるで肩に腕を添えているように浮上してくる時も
【その辺の男性よりも紳士やん!!なんて声がもれた笑】
このカップルは、何度も水中で重なっては、仲良く同時に浮上してくる様子を何度も僕たちに見せてくれた。
残念ながら、最初のエントリーに比べて、クジラ達の浮上する位置が徐々にズレていった。
クジラが浮上を開始し、浮上してからも近寄ろうと泳いだりすると、クジラは浮上場所を徐々に遠ざけて行く。
まさに、ルールの徹底の大切さを物語っていました。
【目の前を通り過ぎながら浮上しいくペア】
お写真を見ても、ここでは止まっていなければいけない場面ですが、フィンの泡立つ様子から泳いでいるのが分かってしまいます。
僕自身も非常に悔しい場面が何度もありました。
【グッと堪えなければならないことがあります。これも勉強です】
しかし、そのエントリーがダメでも、次のエントリーで自分の納得のいくシーンに出会えるかもしれません。
正直、僕自身もまだまだ未熟な人間で、やはりイライラもしますし、水中で声が漏れてしまっていたこともあります。
けど、そんな気持ちでは良い作品なんて撮れません。反省ですね。
それでも毎年、僕のツアーでは本当にありがたい事に、ご理解のあるメンバーさんに恵まれています。
ルールをきちんと守ってくれているからこそ、全員が同じ光景を見る事、そして撮る事が毎年出来ています。
確かに自然でのクジラとの出会いは100%なんてありえません。
出会えた時にどうしても!という気持ちになってしまうのは、本当によくわかります。
けど、皆がポジションを自身で決めて止まった以上、そこからのルールを徹底することが本当に大切な事です。
来月のツアーが、全員で良い出会いをして笑顔になれることを、今から楽しみに願っています。
おまけは、『ご想像にお任せ致します』
① ペアがお腹を合わせて向かい合っています。
② まるで抱き合っているかのように。
さて、今回はかなり長い記事となってしまいましたが、最後までお読み頂いた方へ、
来年もフォト派の方に向けた『チャーターツアー』を開催します。
ツアー最終日に、今回の参加者様へ来期のご案内をしたあと、お問い合わせ頂いた方から先着で、空席情報の案内と申し込みを受け付けます。
今回の記事をご理解いただける方のみとなりますが、先着順となりますので、ご興味のある方は、H.Pの問い合わせフォーム、もしくはInstagramのDMにて、お問い合わせください。
なお、今回の記事ではアップしていないクジラのお写真等は、H.P、Instagram等でもアップしていきます。
ぜひ気の向いた時にでも、覗きに来て頂けると嬉しいです。
それでは、今日も最後まで読んでいただき有難うございました。




















