こんにちは水中写真家のTERU KUDOです。

 

撮影地のご紹介第二弾は、『粟国島』について書こうと思います。

 

沖縄本島の那覇から北西約60キロにある孤島、粟国島。

 

この島は、僕たちダイバーにとって聖地の一つでもある。

 

毎年4月から8月頃(時期というよりも水温に左右される)まで、島の南西に位置するポイント『筆ん崎』では、ギンガメアジ達の大きな球やトルネードを僕たちに見せてくれる。

そんなポイントです。

 

今日はそんな粟国島を写真多めにご紹介したいと思う。

 

ところで、粟国島のこのポイントへは島滞在で島のショップさんを利用するか、沖縄本島から出る遠征の船で行くかの2通りです。

僕は毎年、島に滞在させていただき、この海を撮影させて頂いています。

 

粟国島は、沖縄の島の中では珍しく、火山活動によって出来た島です。

そして島のあちこちに絶景ポイントがあります。

特に、マハナ展望台は360度見渡す限り東シナ海が広がっていて、ここから望む夕陽は本当に美しい。

【その日一緒に潜った友人達と夕陽を望む】

 

そして、古くから伝わる神事が現在でも執り行われる祈りの島とも言えます。

神様をお祈りする拝所や御嶽が数多くあります。

 

粟国島の歴史等についても、観光協会のサイトをぜひご覧になってください。

 

ちなみに、映画『ナビィの恋』のロケ地ともなった粟国島ナビィ港。

映画では別れと旅立ちのシーンで使われた場所で、新月の夜にここから望む海と天の河は本当に圧巻です。

映画を見てから訪れると、感動もひとしおかも知れませんね。

【アシスタントと星を見上げて】

 

さて、海の話題へと戻ります。

 

島にはダイビングショップが3つありますが、僕が初めて来島した時からお世話になっているのが【美南海ダイビングクラブ】さんです。

 

 

オーナーの新城ひとしさんが、この粟国島の各ポイントの名付け親であり開拓者でもあります。

現在は、息子さんの新城ゆうやさん(以下YUYAさん)が、ガイドとして海を案内して下さいます。

 

私事にはなりますが、私がまだ水中写真を撮り出して間もない頃からお世話になっていて、オーナーの新城ひとしさんから頂いたお言葉が、今の僕へと導いてくれたと言っても過言ではありません。

 

そして、ガイドのYUYAさんとは粟国島だけでなく、様々な海をご一緒させて頂いています。

来期の僕のクジラツアーでは共にお仕事をさせて頂きますので、その際は撮影日記で書かせていただきます。

 

さて、そんな粟国島は、なんと言っても筆ん崎のポイントが有名ですが、他のポイントも様々な魅力に溢れています。

 

筆ん崎に入れない時によく行くのが『パイプライン』

ここはエントリーすると珊瑚がとっても豊かで、その光景は本当に素晴らしい。

時折カメに遭遇したりします。

 

一枚の写真では撮りきれないほどの珊瑚達。

粟国島へ来られた時は、ぜひ一度は潜って欲しいポイントの一つです。

 

そして、メインの地形ポイントを入って行った先にも幻想的な世界が広がっています。

【ガイドのYUYAさん絵になりますね】

 

さて筆ん崎ですが、基本的にはブイからのエントリーをして、ブイにもどってエキジットします。

ダイバーの方々ならご存知かも知れませんが、ここは上級ポイントとなります。

 

流れが激しい時は、それこそブイのロープに捕まっていても鯉のぼり状態になったりもします。

 

余談ですが、ファンダイビングではあってもライセンスを取得した時点で、ダイバーとして安全管理の徹底は自己責任でもあります。

 

勿論ゲストさんのスキルが伴っているか?ガイドさんは必ずチェックします。

伴っていなければ、そのポイントを潜れないのは当然の事で、そこはショップさん側の責任ではないのです。

 

ご自身でスキルアップして再チャレンジすれば良いだけの事なので、自立したダイバーとして、計画を立てる際には事前にご自身が潜れるスキルがあるか?調べておく事をお勧めいたします。

 

そんな筆ん先のギンガメアジ達の群れですが本当に圧巻です。

いくつかご紹介します

【近く寄ってみるギンガメアジ達の表情がなんとも可愛いです】

 

このギンガメアジ達を、ロウニンアジは捕食の為に狙いを定めます。

【何度見てもロウニンアジはイカついです】

 

時にはギンガメアジの群れの中に入りながらその時を待ちます。

【見方によっては可愛い顔してます?笑】

 

今期僕はまさにその捕食の瞬間をこの目にしましたが、壁に打ち付けながら丸呑みしていました。

ギンガメアジは可哀想なんですが、その光景は震えるほど凄まじかった。

いつかは、まさに咥えている瞬間をカメラに抑えたいものです。

 

ちなみに、流れの激しい潮の時は、ギンガメアジ達は根の壁に沿って群れています。

【壁際で群れながらロウニンアジから逃げています】

 

これも自然の中での魚達の知恵なのでしょうか。

トルネードになったり、球になったりしているときは、程よい流れの時だったりします。

そんな潮の時はタワーの様な形を見せてくれます。

 

そして、筆ん崎はギンガメアジやロウニンアジ達ばかりではありません。

ほぼ毎シーズン、ホソカマスの群れとも出会えます。

 

イソマグロも時に大きな群れを作っていたり、中でも大きな個体は群れを引き連れていたりします。

なかなかイカついお顔をしています。

 

さらにはナポレオンもこの海域に住んでいて、今期は大きな個体が2匹高確率で出会うことができました。

 

その他まだまだ見どころ沢山の粟国島の筆ん崎。

僕は未だ出会うことが叶っていませんが、毎シーズン1、2度ジンベエザメが現れます。

今期は僕の帰ってから数日後に現れました。

毎シーズン次こそ次こそ!なんて思いながらシーズンを終えていますが、来年こそ!と今から思っています。

 

さて最後に、今期僕にとって一番の出会い。

たまに、海の神様が奇跡というご褒美をくれる時があります。

それが

マンタです。

 

粟国島筆ん崎でのマンタとの出会いは突然にやってきました。

 

他の地域では高確率に出会えるポイントで、最初から撮影狙いで入ったりしていますが、まさかここ粟国島でマンタと出会えるとは思っていませんでした。

その姿は何度見ても美しい。

 

ガイドのYUYAさん、流石です。

筆ん崎でギンガメアジを探しながら、海面まで見ているなんて。

どうやら、勘のようなものがあったそうです。

 

海中で見つけた瞬間に、声が聞こえるほど『TERUさん!!マンタマンタ!!!』と教えてくれて、そこから何とかストレスをかけない様に、そして皆の方向へ向かせるために僕は全力で泳ぎ回り込む。

 

そして、全員の連携によって、その時入っていたチーム全員がマンタを見ることが出来ました。

それが何よりも嬉しかったです。

神々しい。

 

そんな魅力一杯の粟国島。

ぜひ皆さんも島に滞在しながら、この海を見て頂きたいなと思います。

 

尚、とっても小さな島です。

来島前には必ず粟国村観光協会のホームページ、ご利用されるショップさんのルール等をチェックして下さい。

 

それでは今日も最後まで見てくださって有難うございました。

 

ホームページでも最新情報のご案内をしていますので、ぜひ覗きにきて下さい。


宜しくお願い致します。