こんばんは。

早速ですが、考えてみたいと思います。

 



第62回試験・専門知識


(a)

(気象庁HP: 令和5年度数値予報解説資料集 p34 より)

 

上の2つの図を見ながら考えてみます。数値予報では、前回の予報値を第一推定値に利用してデータ同化(客観解析)を行うことで解析値を作成し、さらに初期値化を行なって初期値から予報計算を実行して次のデータ同化の第一推定値として利用するということを繰り返して解析精度が保たれています。この繰り返しのことを「解析予報サイクル」とよんでいます。

 

観測点が密な陸上などの観測データにおいて、この解析予報サイクルで得られた精度の高い解析値は、海上などの観測点が疎らな地域の解析値にも反映され解析精度の向上が期待されます。

 

したがって、本文の内容は正しいとなります。

 

(b)

水平スケールが鉛直スケールに比べて大きい総観規模現象を扱う全球モデル(GSM)では静力学平衡の近似を用いて表現されます。しかし、この場合は鉛直方向に運動方程式を立てて鉛直p速度の大きさを求めることはできません。そのため、本文にあります通り、全球モデルでは、水平方向の運動方程式と連続の式を用いて鉛直p速度を求めています。

 

したがって、本文の内容は正しいということになります。

 

(c)

(メソモデルと局地モデルの仕様の比較:気象庁HP より)

 

本文にありますように、気温・気圧などの気象要素は、水平方向の変化に比べて鉛直方向の変化の方が大きいです。上図はメソモデル(MSM)と局地モデル(LFM)の仕様を比較した一覧表ですが、水平格子間隔はメソモデルで5km、局地モデルで2kmになっています。

 

これに対して鉛直方向の層の間隔はどうか見ますと、メソモデルでは地上から21.8kmで76層、局地モデルでは地上から20.2kmで58層といずれも水平格子間隔よりも鉛直方向の層の間隔の方が小さく、解像度を高くしていることがわかります。

 

したがって、本文の内容は誤りとなります。

 

よって、正解は②ということになります。

 

では。バイバイ

 

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