こんばんは。三日月

 

 

早速ですが、考えてみたいと思います。

 

 

第57回試験・実技試験1・問2

今回は、日本の東の高気圧に対応する上空の気圧の尾根の鉛直方向の傾きと、その12時間後から36時間後までの時間経過を述べよ、という内容です。まず、問題ではこのような書き方をしているのですが、換言しますと、高気圧の中心と気圧の尾根との位置関係が時間の経過とともにどうなっていくのか、ということと考え方は同じで、解答では一旦その視点で見てわかることを、問題文の鉛直方向で見た場合にどのようなことが言えるか、と置き換えて考えるとわかりやすいかと思います。

 

 

次に、気圧の尾根(リッジ)の解析について簡単に触れておきたいと思います。使用する図は図6~図8の各上の500hPa予想図を用い、トラフ(気圧の谷)の解析と同様、等高度線の曲率の大きな部分、また曲率の大きな部分が不明瞭な場合は負の渦度の大きい領域や極値に対応させながら解析します。

 

図6~図8(上)の各図に気圧の尾根を解析したものが青の波線で、今度は図6~図8(下)の各地上の予想図から高気圧の中心位置を転写したものが赤の×印で示し、両者の位置関係を示したものが上の図になります。

 

次に両者の位置関係を時間とともに追って見てみますと、高気圧の中心と気圧の尾根が次第に近づいていることがわかります。これを問題文の鉛直方向で見た場合にどのようなことが言えるか考えますと、図6(上)の12時間後の場合は両者の距離が相対的に大きいことから地上の高気圧の中心から高度とともに西に大きく傾いている、という見方ができます。これが24時間後の図7(上)、36時間後の図8(上)と時間が経過しますと、次第に両者の距離が縮まっていくことから、その西への傾きが立っていく、つまり小さくなっていくということが言えます。

 

したがって、解答では、地上の高気圧の中心から500hPa面の気圧の尾根にかけて高度とともに西に傾いており、時間の経過とともにその傾きが小さくなる、という内容を30字程度でまとめればよいことになります。よって、

 

高度とともに西に傾き、その傾きが時間経過とともに小さくなる。(30字)

 

(気象業務支援センター解答例)

上空に向かって西に傾いており、傾きは次第に小さくなる。(27字)

 

ということになります。

 

では。バイバイ