aikoは時を止めるのがうまい。

それは、現在から過去を振り返ってのものだが、ときめきのほんの一瞬をまるで一枚のスナップ写真のように色鮮やかに切り取り奏でるのである。

私事、重なるような記憶は薄いが、それでもその時代のありがちな出来事が等身大の中に描かれていることに共感を覚える。それは見知らぬ町で偶然見かけた木造の廃校舎に言い知れぬ懐かしさを感じるのに似ている。

彼女の曲には、彼女と同時代に生きている(僕の方がはるかに年上だが)ことの福音を感じるものが多いが、これもそんな一曲なのである。