風にあおられているカーテン
コップに溜まっている水滴
誰も読まなくなった古い雑誌
落書き用の広告の裏用紙
はきならしたサンダル
今でも鮮明に思い出すことができる
しかし年を重ねていくごとに
忘れてしまう。
現実に囚われ
この世を哀れだと思うようになり
どこか知らない土地に
宛もなく歩いてずっとどこまでも
結局は脳の気休め思考なのだけど。
今年で20歳になる私は
未だにこうしてバカみたいな
妄想をしている。
最近は誰かが私の手をとって
未知の場所へ
連れ出してくれないかとも
少しだけ期待するようになった。
これも、どしようもない事だと
分かっている。
だけど思わずにはいられない。
ずっと問うてきた。
記憶を返すのは、誰ですか?
行き場をなくした夢。
輝かしいであろう、
純粋な私の気持ちもろもろが
無残に転がっているだけだった。
自分なら何かできると
思い込んでいる部分が
ほんのりあって
その種は思ったよりも
成長の兆しを見せている。
だから抜け出せないのだ。
現状を突きつけられれば
突きつけられるほど
種は成長し、大きくなる。
ああ、私はこんなところで
何をしているのだろう
正直に進んでいれば
悩むことはなかった。
手の力をふっと抜いてしまうだけで
持っている力を
こぼしてしまいそうな
状態だった。
せっかく髪を染めたのに
鏡に映るのは力をなくした目
昔は、
普通の暮らしができれば
それだけで良いとおもった。
好きな人と結婚して
可愛いこどもが生まれて
日々平穏な家庭。
しかし
それであることに
疑問が生じた。
本当にそれでいいのか。
葛藤した。
私という人間は
それで収まってしまうのか?
社会の隅で
幸せな顔をして取り繕うとせず、
ゆるり死を待つのか?
誰かに、メッセージを残し続けたい。
そんな表れが心を満たす。
追いかけてきた憧れは
いつまでも。
ここに、ある
全てに今を注いで
走りぬきたい。
それはもう、
見つかったのだろう。
ほら。
きっとそこにある。
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