寺山武志オフィシャルブログ「てらやま」Powered by Ameba -5ページ目

R&Jの稽古をしています。





最近の僕は毎日、Rock Opera R&Jの稽古をしています。



ロックでオペラなロミオとジュリエットです。



ユーミンやチューリップを聴いて優しい環境の中で育ってきた僕なので、オファーが来た時、



間違ったんじゃないかな?と多少心配になりました。





とてもカッコ良い黒い服に身を包ませてもらい、



最後の夏が終わった高校球児よりも眉毛が細いです。



これが、ロックなのか!と31歳にして初めての経験。











撮影を経て、オファーが間違いじゃないことがわかり安心しました。





なので今は、自分のやれることに全力で稽古に挑んでいます。



普段あまり共演することのない方々だらけで、みなさんのシーン稽古を見てるだけでとても勉強になり、楽しいです。















そして先日、R&Jの稽古が終わり、次の目的地に向かう為に



新宿駅東南口付近を歩いていたら



『すいませーん…』



と後ろから女性に声をかけられました。





すぐに察しがついた!



これは、数年に一度あるかないかの



『すいません、寺山さんですか?』のやつだ。



オリンピックよりはよくあるけど、世界大会よりは少ない頻度で訪れる、



『すいません、寺山さんですか?』のやつだ。



やっと来た。地道に活動して来た甲斐があった。



この日の為に脳内で何度も、



『すいません、寺山さんですか?』のシュミレーションをしてきた。





同僚だったらそこそこカッコいいで定評のある私は、



ここぞとばかりに持てる限りの芸能人オーラを全開にし、



めちゃくちゃカッコつけながらイヤホンを外しながら振り返った。























『すいません。丸ノ内線はどこですか?』







































私は感情を失った。



一瞬にして無の境地に辿り着いた。



街が止まり、風だけが流れ、立っているのがようやくだった。



季節が巡るのをただ待つことにした。







『マルノウチセンわかりますか!?』





私はどのくらい意識を飛ばしていたんだろう。



『マルノウチセンッ!!』



気がつくと、彼女の声は、老人にかける声よりも大きくなっていた。











「あっ、えーっと…ここからだと…ここまっすぐ進んで…」



(ん?外国の方だったのか。20代半ばだろうか。丸ノ内線はここからかなり遠いから説明したところで彼女は絶対また迷うことになるだろうなぁ。)



「…えーっと、ここからだと結構遠いので、丸ノ内線まで一緒に行きましょうか?」







『あ、ありがとうございマス。』







次の目的まで時間もあるし、先程の放心状態を取り返す為に、親切を始めた。





新宿東南口から丸ノ内線は歩いて10分程かかる。



ただ無言で連れて行っても気まづいだろうし、



コミュニケーションを取ることにした。





「観光ですか?」



『あーはぃ~そうデスー』



「どこから来られたんですか?(あ、ややこしい敬語を使ってしまった。)」



『えーっとベトナムデスー』



「(おぉー通じた。しかし日本語めちゃくちゃうまいな。)そうなんですね。僕ベトナムは行ったことないですね。」



『よかったら今度来てくだサイ。』



「そうします!あと時間は大丈夫ですか?急いだ方が良いですか?」



『あーいやー全然大丈夫デスー』



「わかりましたー。」





おいおい!かなりおもてなせているぞ!



なめらかな会話の中に溢れる気遣い。これで日本男子の株は爆上げだ!!





『今日は休みデスカ?』



「(おっ向こうからの質問だと!?この短時間にかなり心を開いてくれている!)いえ、仕事でしたよ!」



『えっ!?仕事デスカ??』



「はい。さっきまでそうでした。」



『えぇーー!高校生かと思いまシターー!ww』









「……。」







『うそダーww』







「……。」





『えぇ〜ww』









「……。」

















本日二度目の無の境地。





高校生に間違えられても喜べない。





今年32歳の私には27歳ですか?くらいの間違いがちょうど良い。



あいにくですが、私は高校生の倍生きてます。笑





もう丸ノ内線じゃなくて、小田急ロマンスカーに案内して箱根まで行かせたろかな!



と一瞬思いましたが、



今は日本男子の株爆上げプラン真っ最中だし、



外国人の年齢はわからないものだし、



スーツを着てたわけでもないし、



実年齢の半分の高校生に間違われるくらい薄味の人生送ってきた自分に非はある。



と言い聞かせました。







さらに、

≪子供だと思った相手が自分より年上だった、え?アタシ、この日本人に恋していいの?≫



と彼女が思っている。というボーナス設定にして歩みを進めた。





その後の会話は



・32歳と言ったら外国人特有のOMGの表情されたよ



・彼女が日本語上手いのは日本語学校に2年いたから



・仕事は役者をやってると言ったがそんなにチヤホヤされないよね



の三本立てでした。





会話も盛り下がる事なく、5分後、無事丸ノ内線の改札に到着。





「ここが丸ノ内線です。」



『ありがとうございまシタ』



「お気をつけて〜。」





彼女は笑顔で改札内に消えた。







なかなか貴重な体験ができました。



日本男子の株を上げるという、よこしまな心満載でしたが、

























親切とは気持ちの良いものですね。





















道徳の授業みたいな締め方!!





しーゆー☆













P.S.

新宿東南口にいた場合

新宿三丁目駅の丸ノ内線の方が近かったかも。

と数時間後気付きました。

(青)今回のルート

(赤)最短ルート