『ママのセーター』 | 寺田真理子オフィシャルブログ

『ママのセーター』

拙訳『なにか、わたしにできることは?』の版元である西村書店さまから、新刊の『ママのセーター』をご恵贈いただきました。

 

 

 

本書は、グリーフケアをテーマにした絵本です。

 

主人公の女の子が入院中のお母さんに面会に行くところから、お話は始まります。次の日に病院から連絡があり、お母さんが亡くなったことを知らされます。そしてお葬式のシーンが続いて……と言うと、すごく重い絵本をイメージするかもしれません。けれども実際には、絵柄や明るい色彩のおかげで、過度に重くならずに読み進めることができます。

 

女の子は、黒いかたまりが影のようについてくるように感じ、それはグリーフと言うのだとお父さんに教えてもらいます。

 

お父さんと一緒に少しずつお母さんの遺品を整理していた女の子は、お母さんのお気に入りだったセーターを見つけ、毎日着るようになります。

 

グリーフが消えるわけではないけれども、共にありながらも、女の子は自分の世界を広げ、成長していきます。そして毎日そのセーターを着なくても生きていけるようになるまでを、本書では描いています。

 

グリーフケアをテーマにした絵本は色々とありますが、ストレートにこういう状況を描いた作品は意外と少ないように思います。作者のジェイド・パーキンさんご自身も実際に主人公と同じ経験をされたことから、グリーフをテーマにした作品を制作し、本書の誕生につながったそうです。

 

グリーフを経験をされている子どもたちや、子ども時代にグリーフを経験された大人の読者にも、本書が届いてくれることを願います。

 

持ち歩きやすい小さめのサイズ感も、日々の支えになってくれるように感じます。