イスラエルの読書療法④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

イスラエルの読書療法④

イスラエルの読書療法③のつづきです。

 

90代以上のご高齢の方を対象にした読書療法だと、まずは関係性を築くのが難しいものです。読書療法家の年齢がクライアントの半分ほどだったりするので、「あなたには何もわからないでしょう」と言われてしまうのです。

 

この場合は、一緒に詩を作るそうです。読書療法家が詩を一行ずつ読み、その行についての感想を短くひとことでクライアントたちに順番に言ってもらいます。また次の行を読み、同じことを繰り返します。そして最後にそれぞれの「ひとこと」をまとめると、ひとつの詩になっているんですね。これをクライアントにプレゼントすると、「自分の詩ができた」と、とても喜ばれたそうです。

 

『ワンダー』という本を使うこともあります。これは外見のせいで差別的な扱いをされてしまうことを取り上げているのですが、高齢のために同様の扱いを受けることがクライアントにもあるため、共感できるのです。この本を切り口にして老いについて語り合うことができます。

 

 

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また、柴田トヨさんの詩集『くじけないで』の中の詩にも英訳されているものがあり、その詩を使うこともあるそうです。

 
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ご高齢の方の場合、自分より若い方よりは自分より年配の方の本のほうが受け入れやすいのではという話になりました。この観点から、日本のものとしてまどみちおさんの『どうぶつたち』(皇后さまの英訳がついています)や

 

どうぶつたち どうぶつたち
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堀文子さんの本(画集なので絵は言語がいらないことから)をご紹介しました。

 

 

 

また、「自撮りのキミちゃん」こと西村喜美子さんのお話をさせていただいたところ、「この写真は自分のセッションで使えそうだ」ととても喜んでいらっしゃいました。

 

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