小学生~大学1年まで過ごした、言わば故郷へ行ってきた。

小さな港町で、路地がたくさんあるところ。
大人が両手を広げたくらいの幅が隣接道路な家がひしめき合っていた。
ほどほどに大きい道路で普通車が1台だけ通れる道幅。
井戸水があちこちで出ていて、子供のころは家と家の間を縫って、
迷路のような路地を使って鬼ごっこをやっていた。
そして、疲れたらその辺で湧き出ている井戸水で喉を潤していた。
そんな子供時代を過ごしていた。

かなり前に、住んでいたところからすぐ近くのお宅で火事があり、
細く狭い道と密集した家という悪条件で消火が難航し、
隣接の数件も全焼して、何人かの人が亡くなられた。
その地区の高齢化、空き家化も相まって、再開発区域に指定された。

10年ぶりくらいに、当時住んでいた付近を歩いた。
再開発が進み、家が壊され、区画整備が進んでいるところだった。
ひしめき合っていた家が消え、路地も消え、新たに敷き直された、
太くてきれいな道があった。
新しく家が建っていた。

同級生の家、よく利用していた駄菓子屋、銭湯、床屋、文房具屋、スーパー、
親父のお使いで買いに行っていたタバコ屋、あちこちにあった水飲み場。
街並みはどんどん消えて、更地化したり、空き家になったりしていた。
道路も区画も変わっているので、全く別の町に変わりつつあった。
壊れかけの道路で、当時の建物の面影を何とか思い出せる程度になりつつある。
あ、この道路、、、、じゃ、ここに文房具屋と床屋があって、反対側は
スーパーだったよな。全部更地になったのか。というような感じ。

当時住んでいた家のすぐ真横に新しい道路が舗装されていて、
当時の家がその道路を3割ほど塞いで邪魔しているような状態になっていた。

そんなに遠くない未来、この家も取り壊しになるだろうな。
あと10年とか20年もすれば、全く新しい町になっていると思う。


当時過ごした街並みが消えるのはとても悲しい。
工事が僕の知っている町を消去しているような感じがした。
知っている町が違う町に変わる。

でも、過去は過去。
当時の育った町、路地が消えてしまっても、僕の記憶の中には残っている。
育ててくれた町に感謝したい。
僕たち世代のような体験が、今の子供たち世代ができないのは残念だけど、
そこは仕方がない。

それにしても、住んでいた地区丸ごと、再開発で変わってしまう経験って
貴重な経験だよな。戦後とか高度経済成長期ならわかるけど、自然災害
以外で、となると、そうないだろうな。

古いモノが消え、新しいモノに変わる。
記憶も古くて不要なモノは消えていく。
そんな思いが湧いた。

さて、次に行こう。
この故郷、こんなに小さな町だったんだよな。
家も道も路地も、何もかも小さく感じてしまった。