2023
本:7冊(38冊)
観劇:1(7)
コンサート:2(4)
映画:1(5)
<読書(小説)>
1.小説文庫(15)
豊穣の海、三島由紀夫、新潮文庫、済み
→大きい小説。最初の春の雪が最も良い。
法服の王国-小説裁判官、黒木亮、岩波現代文庫、済み
→戦後~現在までの司法を描くことでその間の日本の歴史
を描いている。司法のゆがみと日本のゆがみが符合している。
下巻は一気に読める面白さがあった。
これはフィクションであるが、変化が着実に起きることを願う。
無情の世界、阿部和重、新潮文庫、済み
→3つの短・中編からなる作品
面白かったがもうすでにあまり記憶に残っていない。
素晴らしいアメリカ野球、P・ロス、新潮文庫、済み
羊たちの沈黙、T・ハリス、新潮文庫、済み
2.小説文庫(既読)(14)
カラマーゾフの兄弟、F・ドストエフスキー、岩波文庫、済み
→毎回、新しい印象を受ける。
八月の光、W・フォークナー、岩波文庫、済み
→傑作としか言いようがない。
ただ、後半もう少しゆっくり読んで内容をかみ砕く
べきだった。
悪霊、P・ドストエフスキー、岩波文庫、済み
地下室の手記、P・ドストエフスキー、新潮文庫、済み
灯台へ、V・ウルフ、岩波文庫、済み
3.文庫(最新)(14)
火車、宮部みゆき、新潮文庫、読書中
華やかな食物誌、澁澤龍彦、河出書房新社、済み
忘却の河、福永武彦、新潮文庫、済み
快楽主義の哲学、澁澤龍彦、文春文庫、済み
聊斎志異、蒲松齢、岩波文庫、済み
エロス的人間、澁澤龍彦、中公文庫、済み
4.小説単行本(13)
ジョゼフ・コーネル:箱の中のユートピア、D・ソロモン、白水社、済み
→強烈に個性的なコーネル。
自己のイメージを喚起する既成物を集めて作る芸術はその既成物に
新しい生命を与えているようで面白く、感動的。
アウグストゥス、J・ウイリアム須、作品社、済み
→ローマ建国時のメジャープレーヤー間の書簡形式で描かれた小説
第3章はまるまるアウグストゥスの書簡だが、クライマックスで
作者の想像ではあるが本当にこのような書簡が残っているのではと
思わせる内容。自己の治世を振り返り、懊悩し、最後は受け入れる
思考の流れが素晴らしい。
愛なんてセックスの書き間違い、H・エリソン、国書刊行会、済み
鼻もちならないガウチョ、R・ボラーニョ、白水社、済み
ブリーディング・エッジ、T・ピンチョン、新潮社、済み
5.小説単行本(既読)(1)
土にまみれた旗、W・フォークナー、河出書房新社、済み
<読書(専門書)>
1.専門書文庫(12)
阿含経典1,増谷文雄編訳、筑摩学芸文庫、読書中
中世の覚醒、R・E・ルーベンスタイン、筑摩学芸文庫、済み
→中世を科学と信仰が対話していた時代とし、
近代へと移行する過程で科学は精神や神の問題から撤退し、
自然の記述に集中し、一方信仰は自然から手を引いて相互の間に
溝が生じてしまう。その溝にある最も人間にとって大事な問題が
科学からも信仰からも見捨てられてしまう。
(相互にとって抜き差しならない問題であるがゆえに)
フッサールの危機書でも取り上げられていた問題で現代的にも
重要なテーマであると思う。
愉しい学問、F・ニーチェ、講談社学術文庫、済み
贈与論、M・モース、筑摩学芸文庫、済み
-> 部族間での贈与のやり取り。一方が贈与した場合、
それ以上のものを受領者はお返ししようとする
そのやり取りは一方を破滅するまで追い込むときもあるが
贈り受け取る物は部族の間をめぐりゆき消えることはない。
自省録、マルクス・アウレリウス、岩波文庫、済み
インド神話、上村勝彦、筑摩学芸文庫、済み
2.専門書文庫(既読)
3.専門書単行本(11)
生命起源論の科学哲学、C・マラテール、みすず書房、済み
東京大学「ボーカロイド音楽論」講義、鮎川ぱて、文藝春秋、済み
→ボーカロイドは人間ではないからこそ、つまり、歌詞の内容を
歌手が感情をこめて伝えるのではなく
(さも、自分が経験したことであるかのように、
そうである場合もあるが)
理知的に伝えることになるというのが面白かった。
これからも少し聞いてみよう。
相対論的量子力学、川村嘉春、裳華房、挫折
笑い、H・ベルクソン、白水社、済み
→躍動する生命に固さ、自動機械的なものが現れるときそれが
笑いになる。
16世紀文化革命、山本義隆、みすず書房、済み(1~2)
4.専門書単行本(既読)(0)
5.新書(20)
藤原仲麻呂、仁藤敦史、中央公論新社、済み
メタバースとは何か、岡嶋裕史、光文社新書、済み
→古い考えかもしれないがフィルターバブルの中の心地よい世界に
抵抗感を感じる。映画マトリックスの世界を思い出す。まだ、
適切な解をみんな模索しているところなのだろう。
もう少し技術的な話も欲しかったがこれもまた良い。
『失われた時を求めて』への招待、吉川一義、岩波新書、済み
→語り手プルーストの「私」についての視点。作家が自己に
ついて語ることの欺瞞を説くプルースト。
大化の改新、遠山美都男、中公新書、済み
古代メソポタミア全史、小林登志子、中公新書、済み
6.読書(kindle)(21)
夏目漱石作品集(コ)、読書中
永井荷風作品集、済み
現代思想-メタバース、済み
数学入門、遠山啓、岩波新書、済み
トーマスマン作品集、済み
ランスへの帰郷、D・エリボン、みすず書房、済み
→大変面白く考えさせられる自己省察の書
ランスへの帰郷は地方の下層階級出身者としての自己、
ゲイである自己への振り返りを意味する。
マイノリティは執拗な攻撃対象になるという記述が
印象に残った。