ふたりのカタチ (38) | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「田村さん、忙しそうですね。」

類さんが、閉まったドアを見ながら言う。

「はい。でも、楽しそう。」

おいらが、そう言って見上げると、類さんがクスッと笑う。

「そうですね……確かに、楽しそうだ。」

「ええ、田村さんは仕事が大好きだから。おいらには無理だけど。」

おいらもクスクス笑う。

「サトシさんだって、やるとなったらとことんやるように見えますよ?」

「は、はぁ……そこまでのテンションになることが、あんまりなくて……。」

「そうですか?今回のイベントは、そこまでのテンションになってもらわないと。」

類さんが、またクスッと笑う。

「も、もちろんです。」

とは言っても時間に追われるのは苦手だしなぁ。

おいらがちょっと眉を寄せたのを見て取って、類さんがクスクス笑う。

「いいですよ。やりたいようにやって。後は俺なり、田村さんがフォローするから。」

「あ、ありがとうございます。」

語尾がだんだん小さくなる。

仕事なんだから、ちゃんとしなくちゃいけないのはわかってるんだけど……。

描くのは仕事ってだけじゃなくて、描きたくならないと描けないから……。

「大丈夫ですよ。」

類さんが、いつの間にか下を向いていたおいらの頭をポンポンと撫でる。

「あなたの世界を、好きなだけ表現してください。

 俺も、ファンも、それが見たい。」

「類さん……。」

おいらが見上げると、ちょうどエレベーターが1階に着いた。



田村さんの言っていたてんぷら屋さんは、すぐにわかって、おいら達は2階に案内される。

2階には、まだお昼前だっていうのに、数組のお客さんが入ってる。

大きな看板に嵐山と行書体で書かれてて、ちょっと高そうなお店なのに、

ランチは手ごろなお値段だったから、当然?

さすが田村さん!

道すがら、前にいたマンションの話になって、

類さんは下の階に住んでいるマリナちゃんに、たまに会うという。

「そぉかぁ、マリナちゃん、櫻井さんのファンなのか。

 前は俺が好きって言ってくれてたのになぁ。」

笑いながら、おいらの前の席に座る。

「うふふ。マリナちゃんは面食いですね。」

「どうりで、今年のバレンタインは来てくれないと思ってた。」

メニューを見ると、ランチは一種類しかやっていなくて。

お冷を持ってきてくれた店員さんにそれを3つ注文しておしぼりを受け取る。

受け取った時、店員さんの頬がポッと赤くなったような気が……。

気のせい?

すぐに店員さんは行ってしまい、

前に座った類さんはおしぼりで手を拭きながら、おいらをじっと見つめる。

「何か……変ですか?」

おいらは髪を弄って、ちょっと視線を外す。

「いや……、やっぱりいつもと違うと思って……。」

「そ、そうかな……。」

まだ、朝の熱が抜けきってないのかな……、恥ずかしい……。

「今の……お店の人もサトシさんにあてられてたでしょ?」

「……そんな……。」

もう、ショウ君!

ショウ君のせいだからね!

おいらはさらに恥ずかしくなって、膝の上でおしぼりを広げる。

「サトシさん……?」

「……はい。」

顔を上げず答えると、類さんのクスッと笑う声が聞こえる。

「そんな風にする姿も可愛すぎるけど、できれば顔を上げてくれませんか?」

チラッと視線だけ上げる。

「もう、言わないから。」

また類さんがクスッと笑う。

「……ほんとに?」

「ええ、言わずに……見て楽しみます。」

類さんがイケメンな顔を作って、ニコッと笑う。

「る、類さんっ!」

おいらが大きな声を出すと、お店の中の人が一斉に振り返る。

あっ、と口を押えて下を向く。

それをニヤニヤしながら見ている類さん。

ん~、類さんってちょっと意地悪?

お客さんがそれぞれの会話に戻っていくのを確認して、

おいらは小さな声でつぶやく。

「類さん……フォローしてくれるって言ったのに……。」

「それは仕事の話です。プライベートは櫻井さんにお任せしないと。」

まだニヤニヤ笑ってる。

「そんな風にサトシさんが可愛くなるのも、櫻井さんのおかげでしょ?

 だったら、櫻井さんにお願いしないと。

 助けるだけなんて、割に合わない。」

類さんがニヤニヤしながら、お冷を口にする。

「もちろん、俺のせいで可愛くなるなら……俺が責任取りますよ?」

イケメンが……ニヤリと笑うと……、ほら、どうしていいかわからなくなるから!

そこへ注文したてんぷら御膳がやって来て、おいら達が食べ始める頃、

顔を上気させ、はぁはぁしながら田村さんがやってきた。