悠佑が生きていた時デジカメはなかった。
ホームビデオの時代だ。
悠佑の想い出はビデオカセットの中。
あの小学校教師を訴えるため、ＴＢＳの報道特集の取材で
貸し出していたビデオが先月ようやく帰ってきたため
それまで封印してたビデオを観ようと思ったら壊れてしまった。
『大事なテープなんです』と泣きつき、保証は出来ないと言われながらも
無事に修理から戻ってきた。
ビデオは劣化するため、さっそくＤＶＤにダビングし始めた。
懐かしい悠佑の姿。
泣けてきそうになりつつ、それ以上に爆笑してしまう悠佑の行動。
『あほやな～・・恥ずかしい・・まったくこいつは・・・』
呆れるほどおバカな姿がそこにある。
生きてたらどれほどパワー炸裂してただろう。
霊能者の方に『この子育てるの大変だったね』と言われたほど
じっとしていなくて、画像もブレまくっている。
楽しい奴だった、飽きない奴だった。
そしてふっくらしたほっぺがとってもかわいい男の子だった。
お兄ちゃんのビデオは数多くあるけれど、悠佑の分は少ない。
まさか死ぬとは思ってなかったし・・・・。
写真も少ない・・・・。
遺影の写真選びに苦労した。
ちゃんと映ってるのがないからだ。
今、お兄ちゃんの写真撮る時、遺影の写真を考え撮るのは否めない。
全てのビデオをＤＶＤにダビングするのは結構な時間がかかりそうだけど
早くしないと想い出が消えていきそうで焦ってる。