書感 「ケルベロス 鋼鉄の猟犬」 押井守

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“犬”的な性格というと、忠義、忍耐、全体主義。“猫”的な性格というと、利己、気まぐれ、個人主義。


こんな感じでよろしいのでしょうかね。


天保銭の場合、心情的には“犬”に共感してしまいます。


新自由主義がまかり通る世の中で、時代遅れなのは承知しているのですが。


“犬”と“猫”というとどうしても思い出してしまうのが、鬼才・押井守氏のケルベロス・サーガ。


犬の時代から猫の時代へと変遷を遂げる世の中において、行き場を無くした犬達の咆哮は身につまされるものがあります。
天保銭日乗-ケルベロス 鋼鉄の猟犬
その、押井守初の実写映画『紅い眼鏡』以来、20年にわたり延々と続いているケルベロス・サーガのアナザーストーリーが『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』。


2006年5月から翌年3月にかけて文化放送にて放送された同名のラジオドラマを小説化したもので、一連のケルベロス・シリーズが第2次大戦で日本がドイツに負けた架空の戦後日本を舞台にしているのに対し、本作は独裁者が暗殺された後の架空の第二次大戦中の欧州が舞台。


独裁者によってその呪術性故に愛され、創設された“装甲猟兵”部隊が独裁者の死後、“死地”ともいえる対ソ東部戦線の最前線スターリングラードに投入される。


その創設の経緯と呪術性故に友軍からも忌み嫌われる異形の独立戦闘部隊と、その部隊の記録映画を撮ろうと前線に赴く日系女性宣伝将校“マキ”。


果たして、マキ率いる宣伝中隊は、友軍すら接触を忌避する“ケルベロス”達をフィルムに治めることができるのか。


・・・というのが粗筋なのですが、ラジオドラマが原作だけあって、登場人物が少々わかりやすすぎるきらいはあります。


主人公に思い入れを持って読むと、肩透かしをくらうことも。


そもそも主人公が日本人である必然性が感じられず・・・まあ原作がある作品ゆえ制約はあるのでしょうが。


本作はあくまでケルベロス・サーガの序章として読むのがよろしいような気がします。


プロテクトギアの源流となる装甲猟兵の“甲冑”について、その発祥が明らかになるのはファンとしては興味深い。


また、当時実在した装甲列車や列車砲といった兵器や宣伝部隊、当時の独逸映画界の情勢についても詳しく語られていて、この辺りは鬼才・押井氏の面目躍如といったところ。


話の展開はしっかりしており風景描写も細かく、絵コンテかシナリオを読んだような読後感の作品。


映像になると、また、異なった印象を持てるのでしょうが。



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