8月15日です。


最近読んだものから松原久子さんの『驕れる白人と闘うための日本近代史』をご紹介。
天保銭日乗-驕れる白人と闘うための日本近代史
過激なタイトル&表紙ですが、中身はそんなにセンセーショナルなものではなく、学校の歴史の時間でやっている西欧史観による世界史とは一線を画した日本から見た近代世界史論です。


本書は東西冷戦が終焉を迎える直前、1989年に独逸で出版されたもので原題は「宇宙船日本 真実と挑発」。


こちらの方が内容に相応しい題名かもしれません。


「我々の歴史こそ世界史であり、あらゆる民族は我々の文明の恩恵に浴することで後進性から救われてきた」・・・そんな欧米人の歴史観・世界観に対し、日本近代史に新たな角度から光を当てることで真っ向から闘いを挑む。


・・・とまあ、裏表紙にも過激な謳い文句が並んでおりますが、本書にあるように鎖国していた徳川時代の250年間、日本には革命も戦争も起こらず、国民の識字率は欧州を遥かに凌駕していたことは事実ですし、交通網、流通網も世界的にみて遜色ないものが構築されていたのですよ。


一つ一つの要件を積み重ねていけば、開国後の日本の近代化が他では見られないような速度で進んだのも別段驚くにはあたらないわけです。


相変わらず学校では、士農工商の厳しい身分制度の下に五公五民の重税に搾取されていた暗黒時代のような教え方をしているのでしょうが。


彼らの言う所の恩恵というのは、とどのつまりアメリカによるイラク侵攻の時と同様、言いがかりとペテンと略奪です。


南北アメリカ大陸を“発見”した時もオーストラリア大陸を“発見”した時もインドに上陸した時も中国にアヘンを売りつけた時も・・・


それを“神の意思”の下“正義”を遂行することにしてしまうのですから、全く以って一神教というのは恐ろしい。


タイトルに対する好き嫌いはともかく、歴史に興味のある方は一読しておくべき本だと思います。