ごきげんよう。
私は自分のお腹が痛かったり、調子が悪いと「ごめんね〜。」「どうしたの〜?」などお腹をさすりながら心の中で語りかけます。以前、私がOLをしていた時の、同僚の話しです。その人のことをここでは、Aちゃんと呼ぶことにします。Aちゃんは小学生の時にお父様がアルコール中毒で入院していたそうです。そしてお見舞いに行っては、そのお父様の幻覚の話しに調子を合わせて、付き合ってあげていたそうです。その後、お父様がお亡くなりになり、母子家庭となりました。私が出会った当初のAちゃんはとても迫力があって、頭が良くて、自分の意見をはっきりと述べる人でした。その姿はまるで、百獣の王ライオンをイメージさせるものでした。Aちゃんは当初、気弱な私にイラついて気に食わなかったようです。しかし、時が経つにつれて、意外と2人には共通の趣味があったり、話しが合うことが分かって、仲良くなりました。仲良くなってみると、Aちゃんは実は甘えん坊さんだったり、とても可愛らしい人だということが分かりました。そんなAちゃんがある日、会社で、お腹が痛くなってしまいました。するとAちゃんは『あ〜!クソッ!』と言って、自分のお腹にグーパンチを入れ始めました。それを見た私はびっくりして『ぶっつちゃ駄目!』と止めました。Aちゃんは「何で?」みたいな顔をしていました。母子家庭で育ったAちゃんは、妹さんやお母様からとても頼りにされているようでした。アルコール中毒患者の子供は毒親育ちと同様にその情緒的成長にダメージを受けるそうです。Aちゃんはその家庭環境により、自分に鞭を打つように、自分を律して生きて来たのだと思い、私は尊敬すると共に、切ない気持ちになりました。Aちゃんは本当は可愛らしい猫のような人なのに、ライオンの仮面を被って生きて来たのだと思います。それが必要だった時代は確かにあったのかも知れません。しかし、今に注目してみて、もし今はもうその必要が無ければ、その仮面を外して愛らしい猫のような本来の自分の姿に戻ってもらえたら…と他人事ながら思います。状況は違えども、私も毒親育ちなので、Aちゃんと共鳴するものがあったのかも知れません。Aちゃんとは私が退職したことにより、疎遠になりましたが、もしAちゃんが今現在、お腹が痛くなったとしても、グーパンチをしていないことを願っています。人にも自分にも優しくね♡
それではごきげんよう。