私はバカとキュウリが大嫌いだ。キュウリは我慢すればなんとか食べれるがバカは食べれない。塩をかけようが炒めようがバーニャカウダーにしようが食えん。
だが私がこれほど嫌うバカは今まで生きて来て一人しか遭遇した事が無い。それはもう本当に超アンビリーバボーでファンタスティックなファッキン東京スカイツリーバカだった。
私の実家はアメリカで日本レストランを経営している。ずっとうちのキッチンで働いていた人がやめたので新しいアメリカ人のシェフが来るとの事だった。彼は凄い経歴の持ち主でみんなものすごい期待を胸に抱いていた。アメリカ屈指の名門調理師学校を卒業後、様々なレストランでの経験を積み、高級レストランのキッチンの頭まで勤め上げた賜物である。テレビに出演している有名なシェフのもとで働いていた事もあるとかないとか。
これだけ凄い経歴の持ち主の方なのでさぞや仕事が出来るであろうと皆思っていた。
ブッブー。
残念。
不正解。
我々の考えはクイズ番組に出たときの具志堅用高ほど間違っていた。
最初に彼奴の無能さの片鱗が垣間見えたのはステーキを焼かせたときだった。彼に背中を向けて私が他の事をしていると後ろから、
『ヒッ。。! アッ。。!』
と押し殺した悲鳴の様な声が聞こえてくる。何事かと振り返るとなんと彼奴はフライパンの上の熱々のステーキを素手でひっくり返そうとしているではないか。
こいつ。。。。。できる!!
凄いぞこいつ!何百度もあろう鉄板に素手で立ち向かっている。もしや、あの早乙女乱馬が世に知らしめた無差別格闘早乙女流の使い手か!?素手で火の中の甘栗を拾う乱馬の秘技•火中天津甘栗拳の継承者か!
まさかこの時代にあの技を会得した物がいたとは。。。彼奴は調理師学校どころか中国の呪泉郷でも修行を積んでいたのか。すると水をぶっかければたちまち女かパンダに変身?
そう考えている間にも、
『ヒッ。。! アッ。。!』と彼奴は悶えてる。