これは、仮に、仲間がいなくても言えることです。例えば、ひとり旅に出て、目的地につき、見たかった景色、味わいたかった感動に出逢うことができました。しかし、思えば、見たかった景色を見ることができたのは、この目があるからである。味わいたかった感動に出逢えたのは、この心があるからである。この目、この心というものなくして、この感動は存在しなかった。ゆえに、本当に大切なものは、「先に来ていた」のだ。人生の真実や真理というものは、このようなものなのです。
自分の人生にとって、本当に大切なものを知るための、つぎのような例え話があります。ある男が、数人の仲間と宝探しの旅にでました。艱難辛苦を乗り越え、ついに、念願の秘宝にたどり着いたとき、男は気づいたのです。自分が本当に求めていたものは、宝物ではなく、宝物を目の前に、最高の笑顔で顔を見合わせて握手をしている、この仲間たちであったと。実は、大切なものは、「先に来ていた」のだと。