● AI時代を生きぬくには。 | たいやき社長、書く。

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人工知能が発達したAI時代になると、消えると言われている仕事がたくさんありますが、そうはいっても、最後は「人間」で決まります。要するに、「人間にしかできないこと」に焦点をあてていれば、絶対に困ることはないのです。ロボットが、汚れる仕事や、危険な仕事など、人が避けたい仕事をやってくれるようになったら、それこそ、よい時代になるはずです。人間は、より高度で、次元の高い仕事に専念できる時代となるのです。

今日は、「AI時代を生きぬくには。」という話をしたいと思いますが、これから先、AI、ロボットにでもできる作業・仕事は、やはり〝 取られていく ″ でしょう。そのような時代を生きぬいてゆくには、どのような発想が必要となるでしょうか。

それは、真っ先に、「自分の職業や、役割・役目を限定しない」ということがいえると思います。たとえば、社長業というのは、基本的に「仕事を下ろしてゆく」ことです。社長が仕事をしていて、より一段、創造的で、付加価値のある仕事をできるならば、社長は人を雇うなりして、いまの仕事を手放し、人に任せ、自分はより高い価値を生む仕事に専念するのです。

自分がやらなくても済む事や、より価値の高い仕事をやるために、仕事を下ろしてゆくのが社長の仕事なのです。ですから、社長というのは、その組織の中で、最も創造的な人間でなくてはなりません。

そして、AI時代を生きぬいてゆくために必要な発想とは、一人びとり、それぞれの人間が、社長となること、「社長意識を持つ」ということです。

たとえば、私の職業はたいやき屋ですが、これで、従業員を雇っているときは、私は職場、店に半分しかいませんでした。そのほかの時間は、何をしていたかいえば、「より一層、たいやきを求めていただくにはどうしたらよいか」「よりよいサービスを提供し、ファンを創るにはどうしたらよいか」という〝 ソフトづくり ″ をしていたのです。

たいやきを焼いて、それを売るという仕事は、アルバイトさんや、パートタイマーさんでも出来ることですので、社長である私は、私にしかできない仕事に時間をあてていたのです。とはいいましても、ほとんど家で横になって、ありとあらゆる本を読んでいただけなのですが、周囲の店の社長や店長、また、お客様からは「いつ行ってもいない」とか、「遊んでばかりいる」と、さんざんお叱りを受けたものです。

まあ、それに抵抗しても、あまり意味もありませんので、私はいつも「生来の怠け者なので、遊んでいます」といいながら、家でずっと、セールスやマーケティング、人材育成、人間学、実学などを勉強し、従業員にはできない〝 ソフト面 ″ の開発をしていたわけです。

そして、現在は、「一人社長」として、気楽に一人でたいやき屋を営んでおりますが、これで、もし仮に、ロボットが「おいしく」たいやきを焼いてくれ、「感じのよい」販売までやってくれ、自動販売が可能となったら、私の仕事はなくなるわけですが、そのような場合に、「いや、私はたいやき屋なのだ、たいやきを焼いていたいのだ」といっていてはダメでしょう。

AIロボットができる仕事は、ロボットにまかせて、人間である私は、ロボットにはできない、「人間ならではのもの」「人間にしかできないこと」、ロボットよりも次元の高い仕事を創造するという発想が求められるのです。あくまでも、人間が上であり、AIに仕事を下ろしてゆくというスタンスです。

ですから、「自分の職業や、役割・役目を限定しない」ということです。たいやき屋が、自動販売化されたならば、私は、たいやき屋ではなく、たとえばですが、〝 お礼状書き屋 ″ になればよいのです。ご来店くださったお客様に、心をこめた「手書き」のハガキを出すことを仕事にするのです。

すなわち「逆張りの成功法則」です。その他大勢の反対をゆくのです。デジタルの時代には、誰もがデジタルに向かうので、アナログにこそ価値が出てくるのです。だれもがパソコンできれいに印刷したハガキやDMを出しているならば、パソコンやAIには到底できない、その人ならではの「手書き」のもの、できれば味のある、ちょっと汚く、泥くさい字のものこそ、お客様の目に入りますし、お客様の心に響くのです。

ですから、AIに、たいやき屋の仕事が奪われてしまったならば、ご来店してくださったお客様、一人びとりに、心をこめた手書きのハガキを書く、お礼状書き屋になるのです。この世は諸行無常であり、「変化こそ不変の原理」です。したがいまして、世の変化に、臨機応変に対応し、自身を変化させていかないかぎり、遅かれ早かれ、道が閉ざされてしまうでしょう。

その他にも、人工知能に出来ないことで、人間にできることは、「融通をきかせること」です。NGなんだけれども、ギリギリOKにするというような、「空気を読む」という芸当はAI、ロボットには出来ません。ですから、空気を読む力や、気くばり、気づかいに長けた人は、生きぬいてゆけます。

さらには、人工知能には、直感・ひらめきというものはありません。〝 シックスセンス ″ は、「人間ならではのもの」です。これは強みです。しかしながら、直感やひらめきというものも、「努力」なくして得られることは、極めて少ないです。


やはり、日頃から、「よりよい仕事をしよう」「よりよいものをお客様に提供しよう」「どうしたら、よりよくできるか」という、向上心や、問題意識を持って、ひとつでも多くの「ひらめきの材料」を収集しておく努力は欠かせません。


直感やひらめきというものは、ある事柄について、ひたすらに努力精進し続けている者に対し、その者の守護霊、ないしは指導霊が、その努力を認めてくださり、潜在意識に蓄積された「ひらめきの材料」の中から、これだというものを〝 降ろして ″ くれるものなのです。


ですので、そもそも「ひらめきの材料」となるものを、日頃からコツコツと地道に拾い集める努力をしていない者には、インスピレーション、すなわち、ひらめきは降りてこないのです。このような仕組み、原理も知っておかねばなりません。


とにもかくにも、AI時代に生きぬくには、「社長意識を持つ」ことです。会社や組織に頼らないで、あるいは、職業や役割・役目に固執しないで、「私は、自分という人間を経営する社長」なのだという意識を、一人びとりが持ち、AIにできることは、AIに仕事を下ろして、自分は、より一段、創造的で、付加価値の高い仕事を生み出してゆくのだという、向上心と向学心、覚悟と気概、そして自立心です。「自分の人生経営は自分で何とかするのだと」いう〝 社長意識 ″ をもって人生に臨めば、必ず道は開けるでしょう。


そして、何よりも大事なことは、どれほど優れたAIであっても、イマジネーションという、心のなかで、考え、想い描くという「想像する力」は持っていないのです。これが実際に〝 創造 ″ に直結しますので、最も重要なものです。


イマジネイティブ(想像的)から、クリエイティブ(創造的)へと動かしてゆく、心のなかの想像的空間、すなわち、創造力の前の段階である、「想像力」を大きなものにしていくことが非常に大事であるということがいえます。


私は、絵画やデザインなどの美術を学んでいたことがありますが、恩師が口ぐせのようにいっていた言葉があります。「何にでも興味をもって、出来るだけ、たくさんのものを観ることです。」というものでしたが、とにかく、「自分の中にないものは出てこない」のです。ですから、やはり、絶え間なく勉強し続ける者が勝つということは、間違いありません。


勉強とは、知らないことを知ることです。1日10個でも、昨日まで自分が見たことのなかったものを発見し、自分が知らなかったものを知ることを継続してゆくうちに、その蓄積され、寝かしたものが、次第に熟成されてくるのです。それが、自分ならではの「秘伝のタレ」となり、AI時代を戦い、生きぬいてゆくための武器となるのです。


何はともあれ、「努力に勝る天才なし」であり、日々の考え方、意識、気概、勉強、努力が、自分の未来の可能性を、未来の選択肢を豊かなものにしてくれるのであるという事実を、真実を、ここで知っていただきたいと思います。話は以上です。


  
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