(『人間革命』第11巻より編集)
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〈大阪〉 33
大阪大会の会場となった中之島の公会堂は、昼過ぎになると、周辺に人の群れができ、時とともに膨大な人数になっていった。
小西理事長、山本室長の不当逮捕に、歯ぎしりする思いで、悔し涙をこらえにこらえ、迎えた大会である。
”室長が、学会が、何をしたというのだ!民衆の幸せを願い、社会のために行動してきた学会の、どこがいけなというのだ!”
参加者の胸は、不当な権力への義憤の”るすぼ”となってたぎっていた。
午後六時、開会が宣言された。
激しい雷雨にさらされながらも、場外を埋めた人びとは、誰一人、立ち去ろうとはしなかった。
人びとは、ずぶ濡れになりながら、全身を耳にして、スピーカーから流れる声を聞き取ろうとしていた。
豪雨のなかに、大歓声と拍手が響き渡った。
場内に、伸一の元気な声が響き渡った。
「皆様、大変にしばらくでございました」
場外の人びとは、豪雨のなかで伸一の声を聞き、・・・。
伸一が逮捕されて以来、胸を痛め、苦しみ抜いてきた同志は、感極まり、雨にまみれながら目頭をぬぐった。
伸一は、胸中に、ふつふつとたぎる大確信を、言葉に託して放った。
「全てのことは、御本尊様がお見通しであると、私は信ずる者であります。
『大悪おこれば、大善来る』との、御金言を確信し、私もさらに、強盛な信心を奮い起こし、皆様と共に、広宣流布に邁進する決心であります。
最後は、信心しきったものが、御本尊様を受持しきったものが、また、正しい仏法が、必ず勝つという信念でやろうではありませんか!
お互いに、ますます信心を磨いて、絶対的幸福をつかむためにも、一生懸命に闘い抜いていくことを誓い合い・・・」