映画「ダーク・プレイス」割と社会派なサスペンス | 休日の雑記帳

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鑑賞した映画や書籍の感想記録です。
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製作年:2015年
製作国:イギリス・フランス・アメリカ

サスペンスとしての面白さより、犯罪、冤罪、残された被害者と被害者支援のありかたなど、実社会で問題になりそうなことについて考えさせられる作品でした。

☆あらすじ☆

8歳の時に一家惨殺事件に会い、ひとり生き残ったリビー。実の兄、ベンは、その事件の犯人として服役しており、自身は事件を知った人々から寄せられる善意の寄付金で暮らしていた。そんなお金も底をつき、まもなく40歳を迎えようかという年になったリビーだったが、今更人並みに就職することもできず困窮していたところ、「殺人クラブ」というサークルから事件について語ってほしいとの依頼を受ける。報酬につられてクラブに参加したリビーは、多くの人々がベンが無実ではないかと考えていることを知る。

お勧め ★★★☆☆

冤罪が疑われる事件を洗い直す過程で、次々と意外な、そして新しい証言が得られていくサスペンス。なかなかの面白さでしたが、最後に明かされたた真相は、なんとも悲しいものでした。関係者全員の考えが少しずつ(あるいは大幅に)間違っていたために起きてしまった惨劇。見応えはあるのですが、エンターテイメントとしても社会派としても、やや中途半端だったので星3つです。

以下、ネタバレを含みます。










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いろいろと考えさせられる作品だったのですが、テーマが多すぎて1つ1つの事柄に対する印象が薄くなってしまいました。ひとつずつ以下にまとめていきたいと思います。

まず犯罪被害者への支援について。
いたいけな8歳の少女が、実の兄の手によって家族を惨殺される。センセーショナルすぎて、なんとか助けたいと思うのは人情というものでしょう。しかしそのせいで、リビーは自活する能力を身に付けることが出来ませんでした。かわいい少女の間は注目され、助けてもらえる。でも大人になったらもう大丈夫だろう、いい加減自立できるだろうということで、支援も関心も失われる。

なにも間違っていないんですけれど、リビーにとっては二重に不幸な人生だったと言わざるを得ません。被害者支援は、支援した方は満足して終わると思いますが、支援されている側が、必ずしも幸せだったり有り難かったりしなていない、という描写がリアルでした。

次に冤罪の問題。
幼いリビーの証言が決め手となってベンが服役することになったのですが、これが冤罪だったことが明らかになりました。

自分の証言のせいで有罪となった兄は、無罪を訴えずに服役を続けていました。なぜ?という部分がこの物語のキモともなっているのですが、家族を失い、兄は殺人者となり、しかもそれが間違いであったことに28年も経過してから気づくとは、リビーにとってはトリプルショックすぎやしませんか。

ベンは真犯人(のひとり)をかばって敢えて罪をかぶっていたのですが、これも大間違い。リビーに余計な十字架をふたつも背負わせることになった点、自己満足で服役していた本人はよかったんだろうけど、ある意味大罪です。

それから保険金目当ての偽装殺人。
この事件の真相(の一部)は、生活に困窮したリビーの母親が、子供たちに保険金を渡したいと願った一心で依頼した、偽装殺人の失敗でした。どれほどお金に困っていたかわからないけど、自分の命でなんとかしようというのが、もうね、大間違いでしょう。結局、子供たちのためにと計画したことで、リビーとベンの人生と、他の子の命を失ったわけですから、どうしようもない。殺人を請け負った男も、ちょっと考えてわからなかったものなのか。同情を通り越して呆れてしまいました。

そしてもうひとりの犯人、ベンの元カノとその娘は、クズすぎてコメントすることもありません。

そんなこんなで、なにかとお腹いっぱいになる見ごたえは充分な映画でした。