- ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)/堤 未果
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今回ご紹介するのは
「ルポ 貧困大国アメリカⅡ」
堤未果著
岩波新書です☆☆☆
前作の内容はとっても衝撃的でした。
http://blog.goo.ne.jp/tendollor/e/fc2ea8670f06f02b2bca3c35b70f5a6f
自由の国と思われていたアメリカですが、
格差が広がり、貧困層があふれ、
行き着くところは戦争にしか希望を見出せない‥
昨年オバマ大統領が就任したことにより、
アメリカのこういう問題は果たして解決に
向かうのか?
今回のⅡで、まず驚いたのは「学資ローン」の実態。
以前よく言われていたのは、
日本の大学生の学費は親がかりだが、アメリカは
奨学金か本人がアルバイトをして学費を払う。
しかし、本書を読むと、奨学金は一部の優秀な学生の
ためのものであり(親の財力は関係がない)、
学資ローンは民間に委託され、血も涙もない取立てを
されます。
そこには苦労して大学を卒業しても、一部の優秀な学生を除いては、
賃金の安い仕事しかないという現実があります。
今回私が一番衝撃的だったのは、
「刑務所ビジネス」の実態です。
囚人が外の労働者の仕事を奪ってしまうという
現実(例として電話交換手が挙げられています)。
囚人は外国人よりも安い労働力として使われ、
アメリカに住む労働者は仕事を奪われていくのです。
そのため、普通の労働者は仕事にあぶれホームレスとなりますが、
ホームレスに対する対応が厳しくなったために、
ホームレスでいるよりは、刑務所に入った方がマシだと
いう悪循環。
オバマ政権になっても有効な雇用対策が打てないアメリカ。
日本もいつこのような現実に直面するか予断を
許さないのではないかと思ってしまいました。
前作で感じた「衝撃」は今作では「絶望」に
変わってしまったというのは言いすぎでしょうか。
いつもご覧いただきありがとうございます(^^)