前回のメールマガジンで、2〜3月にかけてイスラエル各地で見られる赤い色の花を中心にご紹介しましたが、今回は春から夏への移行時期で暑くなり始める4〜5月にかけて、見られる花をご紹介していきます。


オオアザミ
3月の終わり、イスラエルのいろんな場所で見られるアザミの花といえば、このオオアザミです。
ピンク色のような紫色のような花ですが、その葉っぱはとても大きいです。
しかも刺々しいので、下手に触ると痛いです。
よーく見ると、葉の筋が白くなっているのが分かります。
昔はこの葉の白いのを見て、イエスキリストを生んだ聖母マリヤがその子にお乳を与えているときに、母乳が葉に流れ、染みついたという言い伝えがあり、そのところから、「マリヤアザミ」とも呼ばれるようになったようです。

オオアザミ(マリヤアザミ)

 

野の草(ノラニンジン)

「きょうは生えていて、あすは炉に投げ入れられる野の草でさえ、神はこのように装って下さるのなら、あなた方に、それ以上よくしてくださらないはずがあろうか」(マタイによる福音書6章30節)

この聖書の箇所に登場する、野の草ですが、一説にはニラ科のノラニンジンがそれだと言われています。

この花には他の花よりも脂成分が多く含まれているようで、乾燥させるとよく燃えるそうです。

またこの時期は、雨が降らなくなり乾期へ移っていくため、草花は枯れて倒れず、そのまま立ってドライフラワーのような状態になります。そういうこの草のことをイエスキリストは思っていたのかどうか分かりませんが、確かによく燃えそうですね。

ちなみに、俗名で「マリーアントワネット草」とも呼ばれているようで、マリーアントワネットが着ていたドレスのような形をしているためだとか。

今から20数年前、イスラエルでガイドをし始めた頃、とてもお世話になったガイドの先輩が実際にこの話をしていました。私にとっては初めて聞く内容でしたので、「へえー」と思ってガイド用のノートに書き留めたのを覚えています。

野の草(ノラニンジン)

 

イバラ

イスラエルにはイエスキリストが十字架の刑に処せられたときに、頭に被せられた「茨の冠」に使われたであろうと言われている木があります。

その一つが、トゲワレモコウです。

私が聞いた話では、羊飼いが野宿をするときに、オオカミなどが入ってこられないようにこれを入り口や柵にする、軍隊で野宿するときにこれを足でつぶすと、良いクッションになるなど、便利な木として重宝されているようです。

 

聖書のエレミヤ書の中で、

「エレミヤよ、あなたは何を見るか」。わたしは答えた、「あめんどうの枝を見ます」。主はわたしに言われた、「あなたの見たとおりだ。わたしは自分の言葉を行おうとして見張っているのだ」。主の言葉がふたたびわたしに臨んで言う、「あなたは何を見るか」。私は答えた、「煮え立っているなべを見ます。北からこちらに向かっています」。(エレミヤ書1章11~13節)

という、神様とエレミヤとのやり取りが描かれています。

現地のガイドは、「煮え立っているなべ」のなべという語は、このイバラに似ていること、また実は赤くなって燃えているように見えることから、この茨のことではないか、ということを説明していました。

イバラ(シラーコツァニート)

 

ちなみに、もう一ついばらの候補に挙がっている木があります。

キリストいばらの木です。

こちらはガリラヤ湖周辺などで見かけますが、木の枝をよーく見ると、とげがあり、なるほどなと思いました。小さな実をつけますが、かじってみると少しだけリンゴのような触感と味がします。お世辞にも美味しいとは言えないですが・・・。

 

イスラエルではこうした聖書にゆかりのある野花がいろんなところで見られるので、聖句と結びつけながら見てみるのが面白いです。