聖書に見るトルコシリーズ、第7回目もヨハネ黙示録からペルガモンのご紹介です。
現在の地名はベルガマ。
聖書時代の名前の名残があります。
トルコ西部の中心地イズミールから100kmほど北に向かったところに位置するベルガマは、上、中、下の町に分かれていて、見どころはアクロポリスと呼ばれる上の町にたくさんあります。
アクロポリスまではケーブルカーで登ります。
トライアヌス神殿
ディオニソス神殿
ゼウス神殿
※ゼウス神殿の全貌を見たい方は、ドイツのベルリンにあるペルガモン博物館に訪れてみてください。
ペルガモンを発掘したカール・フーマンは、1878年に当時のオスマントルコのスルタンから許可を得て、ドイツに持ち帰りました。
博物館の中に20m幅の大階段や、周囲100mにおよぶレリーフ、祭壇など圧巻です。
現在、大規模改修工事中のためゼウス神殿は見学不可ですので、コロナが収束したらここも訪れてみてはいかがでしょう。
黙示録2章13節に「わたしは、あなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの王座がある。」と書かれていますが、他にもアテナ神殿などもあり、異教の神々があふれていましたので、ヨハネは「サタンの王座」と非難したのでしょう。
通常のツアーでは、このアクロポリスを見学しますが、あるツアーでこのアクロポリスから歩いて降り、中の町を見に行ったことがあります。アクロポリスから降り徒歩15~20分。見学10分、上り20~30分かかりますので、参加者の皆様にその旨お伝えしたら、見学に行ったのは、なんと牧師先生、ガイド、添乗員の私の3人だけでした・・・
中の町にもデメテール神殿という神殿がありますが、この神殿は石が整備されずに散乱しています。
この石の一つひとつを見ると文字が刻んであるのがわかりますが、そのうちの一つに「知られざる神に」と刻まれた石碑があるのです。
これは、使徒言行録17:23にパウロがアテネで演説をした中に「『知られざる神に』と刻まれている祭壇」と記述がありますが、同じ言葉です。アテネも神殿がたくさんありましたが、神殿がたくさんあった町には、この「知られざる神」という祭壇があったのかもしれないですね。
ご一緒したときには皆様の体力と行程に余裕があれば、この石碑もご案内したいところです。
また、ここペルガモンには古代の世界三大図書館(ペルガモン、エフェソスのケルソス、エジプトのアレキサンドリア)の一つがありました。蔵書数でアレキサンドリアと争っていたペルガモンですが、負けたくなかったアレキサンドリアは、パピルスの輸出を禁じました。
当時の本というか、巻物はパピルスでできていたため、ペルガモンは困り、あるものを発明しました。
それが、ヤギや羊の皮から作った羊皮紙です。
エジプトのいじわるにより、発明された羊皮紙はパピルスよりも丈夫で保存がきくので、主流はパピルスから羊皮紙に移っていきました。
イスラエルのクムランで発見された死海写本も羊皮紙だったので、2千年間も原型を残したままだったわけです。
もしパピルスだったら死海写本は残っていなかったでしょうね。
羊皮紙のことをドイツ語でPergament(英語でParchment)といいますが、Pergamonに由来しています。
カタカナで「パルショメン(トルコ語)」って、どうせなら羊皮紙って書いてくれるとわかりやすかったかも・・・
ペルガモンのお土産屋さんには、黙示録の七つの教会の「み言葉」がプリントされたものや聖画、また何も書かれていないものなどいろいろな羊皮紙が売っています。
何も書かれていない羊皮紙を買って、自分で「み言葉」を書いて誰かにプレゼントするのもステキですね。