日本一の大富豪の邸宅だと言う、高いコンクリート塀に囲まれた300m四方ほどの敷地に立つ豪邸に、メイドロイドに操縦させたヘリコプターに乗り、装甲服を着て侵入したら、武装警備員10名ほどが、いきなり自動小銃を乱射して来たので、頭に来て、全員をレーザーガンで射殺した。自動小銃の弾丸を俺の装甲服が跳ね返すのを見た、警備員の第二陣は、12・7㎜重機関銃、84㎜無反動砲まで持ち出して攻撃して来たが、俺の装甲服は鋼鉄140㎜の強度で、成形炸薬のメタルジェットに侵徹されない高密度の炭素同素体複合装甲製なので、びくともしない。
もう10名ほどの武装警備員を射殺し、厚さ40㎝の鋼鉄製扉をレーザーで焼き切って、メイドロイドと共に邸宅に侵入すると、二十代後半に見える美女が立ちはだかった。

応接室へ通され、日本一の大富豪の孫だと言う、その美女が、数字が書いてない小切手を差し出し、「お金が欲しいんでしょ?お望みの金額を書き込みなさい、払ってあげるから、大人しく帰りなさい」と言うので、1の位から、順に0、1、2、と書き込んで行ったら、9876543210円、と言う金額になった。
美女は、さすがに、少し表情を変えたが、「良いわ、銀行に連絡して、金を用意させるので、一時間ほど待っていて」と言った。 「良いよ。待ってる間に屋敷の中を探検させてもらうよ。二本足の番犬の死骸処理と屋敷の修理の手間を、これ以上増やしたくなかったら、部屋の鍵は全部開けさせて、番犬どもは下がらせておいてね」
言い終わると、俺はヘルメットを脱ぎ、飲み物を要求した。 5分ほどして、ロングスカートのメイド服の美少女が冷えたシャンパンを持って来た。
その場でコルクを抜いたのに、メイドロイドに毒味をさせると、シャンパンには、無味無臭の毒物が仕込まれていた。 「飲んでも、ご主人様の健康に問題はありません」と言うので、そのまま飲み干した。 美女もメイドも、もう、大して驚かない。
「核兵器でも使わないと、あなたは殺せないようね」

「わかったら、銀行の前に戦車隊を待機させるような無駄な真似はするなよ」 俺が言うと、美女はスマホで、どこかへ連絡して、何か指示を出した。
「三○×○銀行の本店に、金が用意できたわ。戦車隊も引き上げさせた」
「三○×○銀行の本店へ、この小切手を持って行けばよいんだな」