3年前の8月暑い夏
遠くの病院で手術を終えてひとり入院していた私は
朝早く娘からメールを受け取った
24時間テレビで今お母さんと同じ病の家族やってる
お母さん死んじゃった
お母さん死なないで
高3で大学受験勉強真っ最中
私の発病で
これから先の不安をかかえていた娘だった
なんてことだ
私はベッド脇のテレビをつけた
ドキュメンタリーやってる
これを今私の娘はひとり朝食を食べながら泣きながら見ていたのか
涙はでてこない
私が泣いている場合ではないんだ
すぐに病室を出て
休日でガランとした待合イスに座って電話をかけた
だいじょうぶだいじょうぶ~
お母さん元気だよ
今朝も朝ごはんモリモリ食べたんだよ!
だいじょうぶだよ!
娘を想って
あとから涙が溢れた
夏になると24時間テレビの番宣が繰り返され
そのたびにあの日を思い出す
今年も24時間テレビ見ることはなかったけど
終わって翌日新聞にどどんと載ったコラムは
テレビよりも私の心に響くものだった
☆
最近息子さんをがんで亡くされた記者さんの記事
(スペシャルドラマをみた視聴者から)
感動を伝える投稿があったけれど、
少数ながら病気の扱い方に対する批判もあった
「お涙頂戴以外の企画はないのか」
「感動の押し売りだ」
少数なのは、テレビを見る余裕がないのか、
見たくないのか ではないか
(スペシャルドラマをみて)
私はこんな美しい死は見たことがない
現実を知って欲しい
集まった募金は治療法開発のためにも
使ってほしい
(9月1日 読売朝刊 抜粋)