予期せず抗がん剤をやる事に決まった時、
背中ほどまであった髪を
いっそ抜ける前に短くしたいと思った。
でも・・行きつけの美容院では、
なぜか私の髪は長いほうがいいというスタンスで
ここ何年もきているので、
今更、短くしてくれって頑張れる元気が・・その当時、なかった。
そこで昔美容師だったという友人に電話した。
乳がんの事を話した上でお願いしたら、
快く引き受けてくれて、
しかも当日、
「どんな髪型にする~?」って、
たくさんたくさん切り抜きを持ってきてくれた。
ポート手術を終えた次の日だったし、
もう、抜ける日を待つだけの心情だったから
「形なんて関係ないからとにかく短く」と、
これだけ言った。
その後抗がん剤が始まり、
抜けていく髪、体調の悪さ、いままでの生活とのギャップから、
彼女との接点もあまりなくなっていった。
ずっと、気になっていた。
あの日、ハサミ一式を携えて飛んできてくれた彼女は、
久しぶりのヘアカットだったせいなのか、
私の突然の申し入れに動揺していたのか、
指を少し切ったのだ。
一生懸命に、カットしてくれて。
そんな彼女に・・・
私は何にも返せていない。
それどころか、一方的にこちらから距離を置いている。
ブログの優しい仲間たちは、
私を「優しい」と、いってくれる。。
けど、
現実は、こんなにも薄情な私なんだ。
順調に髪も、伸びてきた。
今日勇気をだして、
久しぶりに彼女に連絡を取ってみた。
彼女は、
「元気な声でてるね~うれしい~連絡ありがとう~」と、
電話口で泣いてくれた。
私も、泣いた。
そして今まで連絡を取らなかったことを、一層後悔した。
これから、
どうやったら彼女に恩返しができるんだろう。。。
どんな恩返しをしていこう