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『各国の審査基準とその解説』

第6項:バッキング(バック・ポイント)

バッキングについても、最近は殆ど観念の一致を見ており、バッキングはマナーであって、猟能ではなく、クラスの高い鳥猟犬は当然、その訓練を受け、この猟技が完成されていなければならない事は常識化されて来たと考えられる。しかし、未だ一般的なトライアルで、このような場面に接する事の少ない事は残念であるが、コースの整備とゲームの確保、トレーナーの今一段の努力によって実現される事が望まれよう。バッキングすべき場合、しなくても良い場合についても説明の必要は無いであろう。


また、バッキングを解いても良い場合も、既に決定した通りで、全く誤りの無かった事はアメリカの実情を見て確信が持てる。ただ、バッキングを解いて、次の捜索に移る際、犬がそのゲーム、或いは相手犬に対するせん望、または嫉妬に何ら影響されず、直ちにハンドラーの命に応じ、自主的に次のオブジェクティブに向かうようであらねばならないという事を強調したい。

この場合に、最も明確に服従と自主性が観察されるように感ぜられる。これも要するに訓練場の問題で、ジャッジに直接関係ある事ではないが、完全な訓練を受けて完成させられていない犬が、たまたまバッキングをした時などには、その後の犬の行動によって、訓練の度合いを推定し、判断すべきである。

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第3章 猟技の解説より抜粋


Amipoint02
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第5項:ポイントとステディネス

バード・ワークについて最も決定を困難にしている問題は、ステディネスに関するものである。
過去の研究会における結論は、ポイント時に要求される最も重要な猟技はスタンチネスであり、少なくとも、シューティング・ドッグ・ステークにおいては、ポイントした犬は、ハンドラーがその場に来着するまでポイントを堅持するべきである事が決定されている。その後のゲームのフラッシュについては、アメリカ流にハンドラーが蹴出しても良いし、或いは、旧来の日本の方式に従って、犬がゲームをフラッシュしても差し支えないが、その何れの方式を採ったにしても、ゲームの後追いは好ましくないものとされている。

バード・ワークについては、パピー・ステーク(幼犬部門)の場合は殆ど考える必要は無く、ダービー・ステーク(若犬部門)の場合でも完全を期する事は要求されていない。しかし、要求されていないから、全然やらなくても良いという事ではなく、もし、このような猟技を発揮した犬があったとするならば、高く評価されるべきものである事は勿論である。

以上の如く、ポイント時の猟技については、一本化が出来ていないが、近時コースの開発、設定及び放鳥によるゲームの補充などの手段が一段と向上したFTCのトライアルでは、トライアルが実猟と近親関係にあるものの、トライアル自体の持つ性格の上から見ても、必ずコース上にゲームがあり、バード・ワークを展開する機会を持ちえる事になりつつある為、ステディネスについては、更に考慮すべき事態が近付きつつある事は確かなように考えられる。

最近、数年間の経験では、後追いしない犬を訓練によって作り上げる為には、ステディネスを教える事が最も早く、また容易な道であるように理解されつつあると考えられる。

バード・ワークにおいて、最も大きな欠点は後追いをその最も顕著な現れとする興奮性であろう。ゲームをチェイスする事により、犬の興奮度は高められ、数分間は合理的な再捜索が不可能となる。まして、次から次へとゲームに出会った場合、犬の興奮状態は殆ど狂的な程度にまで発展し、制御不能になるであろう。
以上の事は、直接ジャッジとは関係無いが、犬が常に平成であるように指導し、また興奮性を大きな欠点と見て測定する事は、ジャッジの責務と考えられる。

訓練技術の観点から見れば、ステディネスは訓練の終着点であり、ステディな犬は常にハンドラーのコントロール下にあって、あらゆるクラスを表現し得るものである事を考慮し、技術の開発と共に、新たなバード・ワークに対する研究と決定が望まれよう。

ポイントについては、既に決定されている事の他、特に付け加えなければならない事は無いと思われる。

ただ、数回のリロケートを含む一連のバード・ワークを1回のポイントとする事は、キジを対象としている場合は当然の事であるが、2回または3回までのリロケートによってポイントが確立されなければならない事、ロケーションはゲームの位置を指向し、ただ呆然とポイントしたのでは完全なポイントとは云い難い事、必ずゲームに直結しており、ゲームが出なければならない事、などを再確認すれば充分であろう。

ポイントの姿態については、未だ決定を見ないが、最近実見する犬のポイントは大部分、ハイ・ヘッド&ハイ・テールであるので、スタイルとして、これを採用する事は異論が無いであろう。

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第3章 猟技の解説より抜粋


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第4項:インテリジェンス

知性はグラウンド・ワークの全てに関係のある性能である。しかし、これは遺伝的性能と見られているようであるが、その種の性能ではない。

 例えば、若くして鼻を使う事が上手く、頭が良い犬だとの表現を受ける事があるが、犬自身が判断し、推理して鼻を使っている訳ではない。レンジやパターンも同様であって、始めからコータリングする犬は頭脳的だと云われるが、これらは嗅覚力に優れた遺伝的性能を持っていたり、コータリングし易い猟能を持って生まれて来た仔犬の遺伝的性能であって、決して犬自身の判断によって行われるものではない。

 知性は、これらの優秀な遺伝的性能が訓練と経験によって磨き上げられ、あたかも、犬自身の判断によって行われるかのように見え、特にハンドラーの指示無くして行われる時に見られるものである。

犬自身の諸機能、例えば、嗅覚は人間の6,000倍とか10,000倍とか云われる。従って、嗅覚力に導かれて行うことは、我々人間には想像も出来ないし、不可能な事となる。我々はそれを知能によって行われると考え易い。全ての犬の猟能、猟技に関係する事であるが、我々、特に日本人は動物に対する擬人感に陥り易い。この点は極力避けなければならない事であると考える。機能が全く異なるのに、同一の機能を材料として考えようとすれば、結論は全く異なったものになるのが、当然の帰結であろう。

知性については、冷静な観察が必要であり、知性は訓練と経験によって形成されるものである事を再認識する必要があると考える。

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第3章 猟技の解説より抜粋


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第3項:スタミナ

トライアルは短時間の競技であり、スタミナを重視しないようでもあるが、現実においては、スタミナの欠如は全ての猟技を弱体化するものである。スタミナの衰えは急速に現れる。20分までは良くても、25分は続かないという事はよくある。僅か5分でスタミナの欠如が大きな影響をもたらす。

スタミナは体構と訓練と健康管理によって大きく影響される。スムーズなランニングを可能ならしめる体構は、スタミナの消耗を少なくするし、訓練によって培われた知性は、スピードとペースの配分を適切に保ち、スタミナを消耗させない。健康管理について言及するまでもないことであろう。

上記のグラウンド・ワークの全てを支配するものは、知性、インテリジェンスである。

知性は判断力、理解力の如く見るのは誤りである。犬は本来、そのような知力を持ってはいない。訓練や経験の結果、犬自身の判断によって起こったように感じさせる猟技についての表現である。従って、頭脳的とか頭が良いとかの表現は、知能指数の結果とは全く異なっているものである事に注意しなければならないし、その乱用は避けることがジャッジとして必要な事であろう。

インテリジェンスと同様に乱用したり、また意味を取り違えてはならない用語に、自立性、インデペンデンス、イニシアチブなどがある。自主性はハンドラーのコントロールの下にあることが前提で、その範囲内で発揮されなければならない。
単なる自主性はセルフハンティングに通ずる。インデペンデンスも同様である。
自主性の端的な表れは、他犬をトレールすることなく、常にハンドラーの指示に応答しつつ狩に進む事にある。

また、アメリカのトライアルでは常に見られることであるが、ポイント後、或いはバッキング後、ハンドラーの命に応じ、頭を向けられた方向に狩り進み、決して相手犬の行動に捉われない時に、最も良く発揮されている。そこには、相手犬に対する羨みも質とも無く、我が道を行く姿が明確に表れる。
訓練不十分な我が国のトライアルでは、自主性を的確に判断する機会は度々得られるものではないが、ジャッジは慎重な観察により、自主性を評価しなければならない。自主性を損失した犬のグラウンド・ワークは、魅力的なものでは無いことは理解し易いし、また、正しい判定を下し得るもののように思われる。

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第3章 猟技の解説より抜粋


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第2項:レンジ

レンジ(捜索範囲)についてもスピードと似通った経過を経ているといっても良いであろう。極端なスピードを持つ犬のレンジは、当然広くなりがちである。しかし、パターンは大まかで、シューティング・ドッグに望まれるような捜索を完成する事は出来ない。

 レンジは一面に於いて、強い猟欲の具体的表現であるとされるが、コントロールのないレンジは、セルフ・ハンティングやボルターに繋がるもので、完成された鳥猟犬の猟技ではあり得ない。また、レンジはフィールドとの関連の上で定められ、判断されるもので、完成された鳥猟犬のレンジは犬自身の知性によってコントロールされる事が望ましい。即ち、フィールドによって広くも狭くもコントロールされるレンジが理想のものであろう。
 
 日本のトライアルは、今後共歩行によることが一般的であり、乗馬によるトライアルが行われるとしても、特殊のものであるという域を超える事はないであろう。従って、レンジは特に広大である必要性は極めて少ない。広大なレンジを可能ならしめるスピードと猟欲に恵まれた犬は、その力を密かなパターンに注ぐ事が、日本の場合は必要である。

パターンもレンジと同様、フィールドによって左右される面が多い。単調なオブジェクティブの少ないコースでは、直線的なパターンが容認されるであろうが、我が国の場合、コースは比較的複雑である事が常であり、且つ、キジを主なる対象ゲームとしている時は、特に定まったオブジェクティブがある訳ではない。

コータリングによるパターンは望ましいものではあるが、この場合も機械的なジグザグパターンが必ずしも良い訳ではない。フィールドとの関連性は重視されなければならない。但し、我が国のフィールドの多くは、コータリングするパターンを望ましいとするものであって、犬は常にハンドラーの前方及び両側方をクロスしながら狩る事が望ましい。コータリングは犬生来の猟能と訓練の結果が生み出すものであるが、FTCはシューティング・ドッグの基本的パターンとして、コータリングを高く評価する事になっている。

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第3章 猟技の解説より抜粋


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第1項:スピード

スピードは速いばかりが能ではない。
嗅覚にマッチしたスピードでなければならない。

 過去において、スピードが一辺倒の如き時代があった事は事実である。この原因は、終戦直後に現存していた犬は、これまでのトライアルで要求されていたように、全く実猟本位であり、且つゲームの生息数も豊富であったが為に、必ずしもスピードは要求されていなかった。しかも長期に亘る輸入犬による改良も行われず、イン・ブリードによる劣性の結果、益々スピードを失い、決断力に欠ける犬が大勢を占めざるを得なかった。

 このような背景の中で、我が国の長猟犬の改良の為には、先ずスピードを持たせるべきであり、果断なバードワークを期待しなければならない状況にあったのである。従って、アメリカのトライアル・ドッグの輸入、交配により、スピードを求めようとした。同時に、トライアルとは如何にあるべきかについても、単に実猟の延長ではなく、魅力のある犬のグラウンド・ワークが要求されるようになった。

 不幸にして、我が国の鳥猟犬がスピードを持ち始めるのと時を同じくして、経済的発展の影響の為、良きフィールドは他の目的の為に開発され、ゲームの著しい減少を来たした。その為、多くのトライアルはゲームのいないままトライアルを行うことが多くなり、バード・ワークを観る機会は益々失われ、単にスピードを争う事がトライアルであるが如き誤解を生じたのである。

 従って、トライアルに勝つ為には、スピードさえあれば良いように思われ、ただ速く、良いスタイルで走る犬がトライアル・ドッグであるという時代があったのである。これは日本だけの経験ではない。アメリカにおいても、スピードが重視された時代、スタイルのみがクラスの表現であると考えられた時代があったのである。

 スピード偏重の時代は過ぎ去りつつあるが、これは何もスピードが無くても良いという事ではない。パピー(幼犬)、ダービー(若犬)、ガンドッグ(成犬)においては、生来のスピードは発揮される事が必要であり、単にシューティングドッグ・ステークにおいても、グラウンド・ワークの基礎的要素としてのスピードは必要である。しかし、このスピードは、訓練と経験により知的にコントロールされたのものである事が必要である。適切なスピードは嗅覚力とマッチし、バードワークを可能ならしめるし、知的にコントロールされたスピードは、ペースの変化を生み、魅力あるスタイルを示すであろう。この結果、スピーディーな捜索を完成させる事が出来る。

 スピードの基礎となるものは体構であり、良き体構がスムーズな、伸びやかな歩態を生み出す。適度に直立した前肢及び後肢は、良き歩態を作る事は出来ない。また、貧弱な筋肉も同様であり、これらは、スピードと関連あるばかりではなく、スタミナに大きな影響がある。

 トライアルでは体構の如何は優劣の直接の原因ではないし、静的な体構から来る印象をジャッジングに持ち込む事は有得ないが、適切なスピード、クラスを感じさせるスピード、魅力的なスタイルの根幹に体構があることは心得ておく必要があるだろう。

 パピー(幼犬)、ダービー(若犬)、ガンドッグ(成犬)の各ステークに於ける物理的なスピードには、当然差があり、同一フィールドを想定すれば、ダービー時代が最も速いであろう。訓練と経験によって完成されたガンドッグのスピードは、制限を受けてコントロールされ、犬自身の知性が汲み取れるものであるべきである。

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第3章 猟技の解説より抜粋

 


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クォータリング
Quartering 【FT用語】 (鳥猟犬)

ゲームを探し求めて犬が縦横に走り回ること。直走するのではなく、直線と曲線を織り交ぜたキャストをいう。
Ami


インテリジェンス
Intelligence 【FT用語】 (鳥猟犬)
知力、知性などといわれる。猟犬のもつ猟能のうちで最も重要なもので、あらゆる犬の行動は知力に支配されているとされる。


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マナー
Manners 【FT用語】 (鳥猟犬)

作法、躾けの意。「マナーが入っている犬」というように使う。


Urika’s blogⅡ-Pheasant
Date : AM7:35 Jan.18.2007

Location : Shizuoka prifecture

Temperature : 6℃

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Distance : 18m

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Bird dog : ES♀ 1/3