そもそも、
子供とのコミュニケーションが簡単だと思っていませんか?
受験のために、気を使って子供と会話することを億劫だとか、
「なんで受験のためにわざわざそんなことを?」
なんて、思っていませんか?
そもそも!
子供とのコミュニケーションほど、難しいものはない!
親子の会話ほど、気を使うものはない!
どんなに気を使っても、何を考えているのかわからないのが子供です。
本音で話しているように見えても、実は、そうではない。
それが子供です。
自分の言うことはなんでも聞く。なんでも言う通りにしてくれる。
そう思っていた幼い子供が、その幼さから旅立つ旅をする。
それが中学受験です。
だから、受験生の子供とのコミュニケーションは、難しいのです。
難しいのが当たり前。
親の思っている通りに勉強してくれない。
親の思っている通りに成績が伸びてくれない。
親の思っている通りに集中してくれない。
全部、当たり前だと思ってください。
親の思い通りではない、自分の思い通りの人生を歩むために、
中学受験はあるのです!
親の思い通りにならない大人になるために、
親は、そのサポートをしているのです。
それだと、虚しい?
虚しいですよ、そりゃ。
でも、それを楽しむのが、親の勤めですよ。
受験勉強をしている子供は本番まで何度も模試を受けますよね。
その都度、お父さん、お母さんは子供を見送るでしょう?
最初の頃、
建物に入る時、子供は不安そうにこちらを見て、手を振って建物に入っていきます。
終わって出てきたとき、親の顔を見たらホッとしたような、嬉しそうな表情を浮かべて走ってきます。
一人ぽっちの戦いから親の元に帰ってきたから安心するわけです。
その送り迎えを何度も繰り返しているうちに、
子供の顔つきはどんどん変わっていきます。
表情が引き締まり、最初は不安げだった表情が、集中した表情に変わっていくのです。
そこには、親の存在はありません。
模試が終わり出てきても、ニコッと笑うことは少なくなります。
終わっても、集中が途切れてないからです。
子供は、どんどんすごい勢いで成長します。
そのスピードにあった、コミュニケーションを心がける必要は、当然、出てきます。
もしかしたら、全く声なんてかけないほうがいいかもしれない。
そんな時もあるでしょう。
集中が途切れずに、頭の中はまだ試験会場にいて、解ききれなかった問題のことを考えているかもしれない。
そんな時、横から、
「どうだった?できた?自信ある?ご飯、何食べる?」
なんてことを言って、親がこちらの甘ったれた世界に呼び戻そうとしている場合も少なくないのではないですか?
「子供は大人をナメちゃいけない」
私がよくテンちゃんに言い聞かせていた言葉です。
それは、
「大人は子供をナメちゃいけない」
と、自分に言い聞かせる言葉でもありました。
つまり、大人は子供に対して常に本気で対峙しなければ、子供はすぐに大人をナメてかかります。
親が、適当に子供に親らしいことを言っていたら、
子供は、適当に親が望む子供らしい姿を見せます。
親が、一本調子で常に厳しい態度を取っていたら、
子供は、いとも簡単にそこからスルリと抜け出す術を身につけます。
しかも、親には絶対に見つからない方法で。
でも、親が、常に本気で、本当に自分のことを思ってくれていると思ったら、
しっかりそれに応えようとするのが子供なのです。
ただし、それは、
「親の思い通りの自分になろう」
と、応えようとするのではありませんよ。
「応援してくれているんだから、頑張ろう」
それが、子供が親の期待に応えると言うことです。
それが、親の期待通りストーリーでなくても、頑張っているのなら、応援してあげる。
親の本気に、
自分の思い通りの子供にしたいと言う本音が見えてしまったら、子供だって白けます。
「算数の成績が全く上がらないのに、どうして今、社会の勉強ばかりしてるの?算数やったほうがいいんじゃないの?」
これも、親の思い通り。
そう言いたいのであれば、
「調子どう?疲れてない?」
「うん。大丈夫」
「順調?」
「そうでもない・・・」
「頑張ってるよ」
「そうでもない」
「そうでもないんかい!算数は?」
くらい、遠回しで聞くくらいの気の使い方は、私は心がけていました。
中学受験が終わった時、
「パパ、けっこう気を使ってくれてたよね?」
「わかる?」
「わかるよ。おしゃべりだったのパパがあんなに家の中が静かになったんだから」
「わかってくれてたのかね〜」
「わかってあげてたさ〜」
「やだ〜。恥ずかしいな〜。一応、気を使わないぶっきらぼうなキャラで通ってるから〜」
「パパは力が抜けた人のように見せつつ、けっこう肩に力の入った人だからね」
「え?そこまでわかってるの?ちょー恥ずかしいじゃん。めっちゃダサいじゃん」
「うん、パパはダサいよ」
「え?」
子供は、ちゃんと親を見抜いてますよ。
最後まで読んでくださってありがとうございました。