週末、東名沿いの神奈川某所でのおしごとの帰り道。
どうせのぼりは混雑が始まっているのだろうという予測のもと、
賢い女サウナーはサウナチャンスを逃さない。
気になっていたこちら、海老名 都の湯。
はやる気持ちを抑えて受付へ。
初めての施設では様々の料金プランの説明やポイントカードの説明などがひとしきり入ることが多いので、なるべく感じよく且つ簡潔にことを済ますため集中。
温浴施設にたどり着いたら、
もう最初からすっぽんぽんで入館したいくらいなのです。
もうすぐ春ですね。でもダメですよ。
ちなみにこの脱衣方法を「ルパン脱ぎ」と言うらしいです。調べて初めて知りました。
しかし。
こちらの施設、料金体系は超シンプルで
「休日は900えん。以上。」
他のタオルや館内着は必要があれば追加していくシステムです。
ポイントカード入会などは、表示はされていますがわざわざ説明されたりしません。
あと感激したのが、
「お会計は最後にまとめて」
と、バーコード腕輪が渡されます。
最初にお財布、最後にお財布という二度手間が無い。素敵!
ルパン脱ぎしたい気持ちを抑えて、とにかくお腹が減っていたので先に食堂へ。
この館内の動線も素敵。
入り口からの通路突きあたりに広いスペースがあり、そこの雰囲気がなんとも、まったりというか、とにかくみんな寛ぎまくり!
畳でゴロゴロできる広い休憩スペース。
食堂と休憩スペースは同じ空間にあるのですが、天井が高いためか、うるささや圧迫感を全く感じない。
照明も、暗すぎず明るすぎずいい感じ。(最近、ムーディーの押し売りみたいな、ホラ間接照明いいだろう!みたいな暗い施設多くないですか?)
サウナめしの定番、豚肉の生姜焼きをチョイス。
いやー
美味かった。
しっかりした味付けが疲れた心と体に染み渡る。
食堂のお座敷スペースに目をやると、お風呂上がりの家族が、楽しそうに夕飯を食べているのが目に入る。
私も、中学生の頃くらいまでは、親と一緒に地元のスーパー銭湯に行くのが大好きだったな、とふと思い出す。
奇しくもこの日は3月11日。
こんなさりげない幸せが。いつまでも続くに違いないと思っているこんな日常が。突然終わってしまうことがあるなんて。
喉の奥が苦しく、泣きたい感じになってくる。
オットごと義実家に預けた息子の顔を思い出す。早く帰りたくなってきた。しかし、温浴施設に来て生姜焼きだけ食べて帰るのもバカかすごいツウみたいだ。
黙々と生姜焼きをたいらげ、女湯へ。
ロッカーの鍵は、入り口で渡されたバーコードと別で、大小のロッカーから自由に選べる。
これも地味に嬉しいです。与えられたロッカー番号だと、ガラガラのロッカー室でなぜかピッタリ隣のおばさんと押し合いへし合いになることがあるので…。
(ほぼ)ルパン脱ぎして、浴室内へ。
入り口横に掛け湯があるのですが、ここのお湯がコンコンと溢れて足元を流れていく。
イイ!
細かいのですが、私この浴室入ってすぐの床、清潔と不潔の間っていうか、冷静と情熱の間っていうか、ここがキタナイのが嫌いでして。
足元を常にお湯が流れてるのは気持ちいい!
手早く身を清め、(アメニティはスパ銭でよく見かける馬油とか白椿ってやつ。フェイスウォッシュなし。)いざサウナ室へ。
入り口に、誇らしげに「ikiサウナ」の看板。カッチョイイ!期待が高まります。
広いサウナ室に、高く積まれたストーンサウナが鎮座まします。
70度表示、体感もそんな感じ。湿度はやや低め?
低い音でテレビがついている。空いている、っていうか基本貸切状態だったので、長めに入って疲れた身体をゆっくりほぐすうちに、じんわりと汗。
水風呂は18度表示、体感もそんなもんですが、深く、中にゆったりとした水流を感じて気持ちいい。
マイルドなサウナにはこのくらいの水温が、永遠に浸かってられて気持ちーわー。
露天風呂スペースとは別に!デッキで休憩できるスペースがあって、サウナーの好きな椅子が2脚。
寒い日でしたので、長水風呂した後ではちと寒すぎてすぐに内風呂の炭酸風呂へ。
お湯のことはあまり詳しくないですが…
この炭酸風呂がなんとも、不思議な感じでした。
炭酸風呂にしてはやや熱めの、41度くらいの設定なのかな?浸かっているうちに、肌が、ジワジワ、ピリピリ、してきて、なんに効いてるんだかさっぱりわからないのですが、とにかく
「効く!」
って感じがしました。テキトーですいません…
サウナ水風呂内風呂、を繰り返すうちに、21時のロウリュサービスのご案内放送。
マイルドなサウナのようなので、前もって身体を温めておこうと、5分前から入室スタンバイ。
21時を回ると、来るわ来るわ、さっきまでガラガラだったサウナ室に十数名。
そこに熱波師がなんと三名。一人は明らかにベテランの風格を漂わせています。一人はトレーニング中?他のスタッフに小声で説明を受けています。
この日のアロマは「深呼吸」(だったかな?)、ユーカリが入った、いかにも花粉症に効きそうな名前です。
しかしこのベテランさんがなんでかすごく腰が低く、柄杓がいろんなところにゴン!ガン!とぶつかる度に、「すいません、すいません」と言っている。
そのノリのまま、すいません、すいません、と言いながら、信じられない量のアロマ水をikiストーブにかけていく。
途中から、あ、これヤバイやつや、と気づく。
常連さんがほとんどのようで、「あー良い香り」なんて談笑してるけど、どんだけ熱波強者なんだこのエリアの人々は。
すいませんすいません、と蒸気は容赦なく、見習い熱波師さんが必死の形相でサウナ室入り口の扉を抑えている。サウナ室の空気の膨張で扉が開いちゃうのかな?
コントかな?
もう笑いが出る。
散々熱波が降り注ぎ、もうこれ扇がなくても良いんじゃね?と思うレベルになってからおもむろに団扇開始。
すいません、と言われながら扇がれる。
こちらこそほんとすいませんマイルドなんて言ってすいません。
さらにアロマ水が追加され、久々(箱根湯寮以来?)逃げ出したいレベルの熱波。
ストーブの威力がここで遺憾無く発揮されてんだな多分…
熱波強者たる常連さんがおかわりを要求する中、涙目で退出。
おかわりいただかなかったの初めてだ…
汗を流し、ここで浸かった水風呂の気持ちいいことと言ったら!!!!!
もうあのレベルの熱波だと、水風呂の温度ってあんまり関係ないんだなーと実感。
極限に晒された肌が、循環系が、呼吸器系が、まさに潜水して、ゆっくりと抑制されていく。
冷たさは、もう感じない。
自分がいつどんな死に方をするのかわからないけど、こういう風に死んでいけたらどんなに良いだろう、死がこんなものならどれだけ救われるか。
と、いつものように考える。
グワングワンに視界が回るなか、デッキの休憩チェアへ。
抑制された生命が、ぱちばちと息を吹き返すのがわかる。
生きてる。
間違いなく生きてる。
生きてるから、一生懸命生きるしかないんだ。
そんなことを考えた。
人間はギャップに惚れるのだとよく聞くが、まさにギャップ萌えにあふれた施設でした。ロウリュ前と後を味わってこその都の湯、だと思いました。
細かい「ととのわず」での、普段なら自分でも気づかないほどの減点が全くないということにもカンドーでした。
近所だったらなぁ…マジで…もうここしか行かなくなるなぁ…
帰り、ととのい有頂天で東名入口へ向かいました。
「3月11日 東名海老名〜横浜町田 工事のため21時から通行止め」
の表示がギンギンに光っていたのに、ととのいすぎて文字が読めず、
入口に入ってしまって引き返せないところまで来て、「あれ3月11日って今日じゃん?」ってなり、
あああああ、と思ううちに名古屋方面レーンに入らざるを得ず、
なぜか秦野に向かって深夜のドライブを始める羽目になりました。
まあととのっちゃってるから(以下略
皆様もととのい事故には本当に気をつけましょう!