「皮肉を込めて描いた小説で知られる英国の女流
大作家は 1817年3月 発熱にみまわれて Sanditon
(註：この作品は未完に終わった) の執筆を途中で
止めた。
彼女の顔色は ”くすんだ色になったり、明るい色に
なったり、ありとあらゆる不健康な色” に染まって
いた。
その年の5月、もっと いい医者の診断を仰ぐために
ﾁｮｰﾀｳﾝ の自宅から 17 ﾏｲﾙ も離れた ｳｲﾝﾁｪｽﾀｰ
まで行った。
ｶﾚｯｼﾞ通りにある自宅で療養していた彼女は 最期
まで 機嫌よく過ごしていた。
こんにち残されている最後の手紙の中で彼女は次の
ように書いている。
”わたしの生活の場所は ソファの上だけ。でも、部屋
から部屋へ散歩することは許されているわ。”
姉のｶｻﾝﾄﾞﾗにベッドの傍で看取られながら、彼女は
1817年7月18日午前４時半、静かに息を引き取った。
彼女が書き残している病状は アジソン病と一致する。
アジソン病とは 副腎皮質の機能低下による病症で、
彼女の生存中は 適切な治療法がなかったのだ。
内分泌学研究の父 Thomas Addison が この病症を
発表したのは 1849年になってからの事であった。」
(The English mistress of the satirical novel abandoned work on
Sanditon in March 1817 when she came down with a fever,
during which her complexion became "black and white and every
wrong colour." In May she left her home in Chawton for Winchester,
seventeen miles away, in search of better medical advice.
In her College Street lodging she remained cheerful to the end.
"I live chiefly on the sofa," she wrote in her final extant letter,
"but am allowed to walk from one room to another."
With her sister Cassandra at her side, she died peacefully at
4:30 A.M. on 18th July 1817.
Her description of her symptoms fits those of Addison's disease,
a functional deficiency of the adrenal cortex for which there was
then no adequate therapy. It was not until 1849 that Tomas
Addison, father of endocrinology, first described the condition. )
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