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ポスター を 芸術の域にまで高めたという功績で
知られるフランスの画家 ロートレックは 正式名を
Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-
Monfa というのだそうです。
十代に左右の大腿骨を続けて骨折し、爾来 下半身
の成長が止まり 上半身のみが成長し、 成人後は
152cmほど の身長しかなかった、といわれています。
ロートレック
(1864-1901)
小さな巨人 ロートレックのエピソードを見てみましょう。
「このフランス画家の体格は 幼少の頃から 見た目にも
標準より劣っていた。
1878年5月、13歳だった彼は ステッキに寄りかかり乍ら
脚の低い椅子から立ち上がろうとしていたのだが、この時
自宅のワックスがけした床の上で転び、左大腿骨を骨折した。
その翌年、ﾋﾟﾚﾈｰ温泉近くを 母親と散歩していた彼は 浅い
水路によろよろと はまり込み 右の大腿骨を骨折した。
爾来、大腿骨の成長は止まったのだが 頭部と胴部は普通
の大きさに成長し、この結果 成人してからの彼の身長は
５ﾌｨｰﾄ (約152cm) あるかないかの高さであった。
骨学者たちは こんにちも尚、彼が長年患った骨格の異常は
一体何が原因だったのか 明らかにはできていない。
1970年、ｻｰ･ﾃﾚﾝｽ･ｶｳｿﾙﾝ は 世間に知られている ふたつ
の起因のどちらかひとつが 彼のケースに当てはまるのでは
なかろうか、という研究発表をした；
つまり、骨化石症 (大理石骨病) か 極めて稀な流蝋骨症
(骨硬化性疾患)の いずれかではなかったか、というのだ。」
(The French artist's physique was apparently defective from an early
age. In May 1878, when he was 13, he was rising from a low chair with
the aid of his cane when he slipped on the waxed floor of his home and
broke his left thigh bone. The following year he was walking with his
mother near Pyrenean spa, when he tumbled into a shallow ditch and
fructured the other femur.
Thereafter, the bones ceased to grow and, though his head and torso
were of normal size, his final height was barely five feet.
Osteologists are still unable to establish the nature of the bone abnormal-
ity from which he suffered. In a 1970 study, Sir Terence Cawthorne
suggested one of two known conditions : either osteopetrosis (marble
bones) or the very rare melorheostosis. )
「1890年代、彼は売春宿を含む モンマルトルの夜の生活
を とても沢山 描いた。
昼間 絵を描き、夜は ひと晩中 飲みあかし、ほとんど毎晩
女色に溺れた。
だが、1898年頃までには、未だ 質は落ちてはいなかったが、
描く絵の量が 落ち始めた。
1899年初頭、彼は 振顫譫妄(しんせんせんもう ー アル中の
禁断症状で全身の震え・幻覚症状などが起きる) の発作を
起こし、私立の精神病院へ収容された。それまで彼は 十年来
の梅毒患者であった。
２，３週間で 精神病院を退院した彼は 消化器系に病を持って
いる為に 一滴の酒も口にできない Paul Viaud という中年の
男のもとに引き取られ この男の監視下に置かれることになった。
ところが、Viaud が穏やかに諭しても アル中である彼の酒への執着を無くさせることなど 殆ど できなかった。」
(In the 1890s, he became a prolific portrayer of Montmartre night life,
including its bordellos. He worked all day, drank all evening and debauched
most of the night. By 1898 the quantity, thoug not yet the quality, of
his work began to decline. Early in 1899 he suffered an attack of delirium
tremens and was committed to a private mental home ; by that date he
had been syphilitic for a decade. After just a few weeks he was released
into a guardianship of Paul Viaud, a middle-aged man in reduced circum-
stances who had digestive trouble that prevented his touching a drop.
But Viaud's genteel restraints could hardly prevail over a dipsomaniac's
obsession. )
ﾛｰﾄﾚｯｸ ： ﾑｰﾗﾝﾙｰｼﾞｭのﾎﾟｽﾀｰ
「アル中と梅毒が重なり、３７歳の誕生日を３ヵ月前にして
とうとう 彼は 死んでしまった。
1901年2月に 軽度の発作があった後、彼はパリのアトリエ
を手仕舞いした。
その年の8月に ２度目の発作が起き、母親が彼を自宅へと
連れ帰った。
そんな状況下でも 彼は 絵を描き続けなければならなかった。
梯子で身を支え乍ら Viaud の肖像画を完成させようと必死に
絵筆を進めたが無駄であった。
1901年9月9日まで 何とか生きながらえ、 息を引き取った。」
(In the end, alcohol and syphilis combined to kill him.three months before
his 37th birthday.
After a slight stroke in Februay 1901, he put his Paris studio in order.
In August after a second stroke, his mother brought him to her home.
Even then he had to work. Supported on a ladder he strived in vain to
complete a portrait of Viaud. He lingered until 9 September 1901, when
he died. )
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