この土日は本の断捨離してました。うまくいってたのについ熟読しちゃったのがこれ。

「Waqwaq」
藤崎竜 集英社

この方のSF魂は大したものだなあとあらためて感心。
デザインも斬新で、マンガの楽しさのうちの、特に絵を見る楽しさを満喫させてくれます。

あと、神話や宗教学のエッセンスを個性的にアレンジしているのも面白いです。

最近は小野不由美原作の「屍鬼」のコミカライズをしてましたが、SF的短篇を読みたいなあ。

題名の「Waqwaq」は、アラビアの伝説にある一種ユートピア的な島の名前で、一説にはこの島の名は倭国から来ているとか。

ワークワークには木が生えていて、その実は美女のかたちをしており、髪の毛で木とつながっていたのが熟すと、「ワークワーク!」と叫んで落ちるそうな。
落ちたら死ぬので、連れ出すのはムリ。

別に食べたからといってワクワクする特殊能力がつくわけじゃないです(笑)

このワークワークがどう関係してるかしてないかは読んでみてください。

いろいろな物語の中で、ユートピアをユートピアとして描かず、堕落した楽園やあらかじめ喪われたものと設定するのは、単純に楽園を思い描けない閉塞した現実を反映してるのかなと思うと少なからず寂しい気もしますね。

マイナス思考になる方がたやすい中で、敢えてパラダイスを描くとしたらどういうものになるんだろう。

最近の結論としては「青い鳥はお家にいた!」みたいな収束の仕方が多いけど、結局降り出しに戻る、んじゃなく、はるかかなたの見たこともない楽園を見てみたいなあ。

そっちの結末としては、神の国が訪れたり、光の世界にアセンションしたり、ってのが多いけど、やっぱり大いなるものに帰依しなさい、じゃないところに楽園がないかなあ。

…って、すごい難しい注文なのかなって気がしてきたよ…。