マカオ周辺の茶色い海は砂地で浅い海なのであろうことをうかがわせる。

とにかくすごい勢いで海の埋め立てをすすめており、海上には大量のクレーンや埋め立て船にようなものがそこいらじゅうで動いており、12月30日でもあるのにかなりの稼働をしているように見受けられた。

ポルトガルが支配したものの、マカオが香港よりもはるかに劣った経済成長しかしなかったのも、支配者がイギリスとポルトガルに分かれていたからではなく大きく劣った港湾能力にあるということらしい。

現在のマカオの開発は港としては香港に全く劣る港湾能力を逆手にとってひたすらに埋め立てて、島であった地域を繋ぎ合わせて恐らくはラスベガスを遥かに凌駕するエンターテインメントの街を作ることにある。

そもそもはスタンレーホーの支配するなんとなくアウトローなアジアの端っこのカジノ街という雰囲気であったのが中国への返還後、国策によりアジアどころか世界一を目指すエンターテインメントの街を目指していることは明らかだ。

中国の一つの目標はすべての面でアメリカに打ち勝つことにあるのではないか?

ラスベガスにも対抗心を燃やし(マカオのカジノで凌駕を!)、ニューヨークにも対抗心を燃やし(上海、深セン、香港を合わせて金融で凌駕を!)、飛行機でも、宇宙開発でも、映画でも。

これまで、何一つとして勝っていなかった状況から、全てで負けないようにすることを目標にしている。

マカオの街を見て、中国のそんな野望を非常に強く感じた。

僕らの宿泊場所は子供がいることもあり、カジノ街はあまり好ましくもないし、そもそも子供たちがカジノへは入れないし、ということでコロアネという地区に泊まることにした。

だが、タクシーで行くにはかなり無駄な出費となりそうであまりにももったいないのでバスがないか聞いて回った結果、乗り合いバスが30分置きにでているのだという。

バス停に着き関係の無いホテルのおばちゃんに聞くと身振り手振りで行ったばかりのようなことを教えてくれた。

ということで、様々なホテルバスが運行するバス停において待つことになった。

つづく