前回の続きです。

同時多接続について

 同時多接続とは、5G では100万台/km²の接続機器数 (現⾏4Gの30-40倍) が実現できると言われています。これにより、身の回りのあらゆるデバイスが個別に5Gで通信できるようになるとこのことです。そのデバイスは家電やセンサー、また自動運転車などが挙げられています。ただ家電といっても、屋内で使うものがほとんどなので既に無線LAN機能を有しているものが多く発売されていますし、5G(4Gでもなくて)でなくてはならない理由が若干不明です。また現状4Gデバイスが増えすぎて、既存の基地局では収容できない程逼迫しているのかというと、そういう話も見つかりませんでした。

参考資料:総務省より(PDF)

第5世代移動通信システム(5G)の3つの特徴

 家電をネットワークにつなげるという概念は数年前位から IoT (Internet Of Things) という言葉で広まり始めました。「スマート家電」という呼ばれ方もしますが、オーブンレンジ、洗濯機や冷蔵庫に至るまでインターネットにつながる家電は既に発売されています。ネットからレシピをダウンロードし調理したり、最適な洗濯をクラウド上のAIが提案してくれたり、終わるとスマートスピーカーでお知らせしてくれたり、それがどの程度実用的かはさておきメーカーもインターネットに家電を接続して、何が出来るか模索している段階かと思います。そのほかにもセンサーの話もありますが、4Gで収容しきれないほどのセンサーがありとあらゆるところにあるような時代はまだまだ想像の世界の先のことかと思いますので、5Gになったから世界がすぐ変わるということにはならないとも思います。

参考資料:価格.com マガジンより

冷蔵庫とつながる洗濯機!? シャープの縦型洗濯乾燥機「PWシリーズ」を見てきた!

自動運転は?

 自動運転では近い将来車が全て5Gでネットにつながり、3D地図データをリアルタイムでダウンロードしながら自動運転するようになる、という話もありますが、日産のスカイラインに搭載されたプロパイロット2.0では高速道路のデータは全て車の中に保存されていて、更新は年に数回だそうです。私も無線通信はどうしても接続の安定性の問題があるので、そのほうが安心な気もします。また仮に既存の5Gで自動運転走行できるようになるとしても、接続の安定性なども乗り越えなければならない壁もありますし、乗り越えた後に4Gでは収容しきれないほどの車が自動運転で走行するというのはもうかなり未来ではないかと感じます。

参考資料:
高精度地図に「年間1万6000円」、日産プロパイロット2.0の市販は2019年9月

スマホは5Gで変わるのか?キャリア側に垣間見える本音

 ネットでこのような記事を見かけました。CEATEC 2019で開催された「5G Summit」 で4大キャリアの幹部の方々がトークセッションを行ったときの話です。そこで、こんな発言がありました。

参考資料CEATEC 2019で開催された「5G Summit」 より

 司会 「5Gで生活の何が変わるか」 

 某大手キャリアA 社長 「リアルとバーチャルが融合する世界がさらに深まる感じがしている

 

 リアルとバーチャルが融合する感じ、、その他のキャリアの社長の発言も「スペシャルなエリアでスペシャルな体験価値を」など、具体的なサービスについての発言はほとんど見当たらりませんでした。唯一映像の視聴方法などが挙がっていましたが、フルHDレベルの映画であれば4Gのストリーミングで十分なのは前回触れたとおりです。

某大手キャリアB 社長 「キラーサービスとなるものは何かと聞かれると、なかなかそれが確定できない。そのためにパートナーと組んで、さまざまな産業やサービスのユースケースを検討しながら、どれがキラーになるかを探し続けている状況」

 つまり、キャリア側でも5Gになると具体的に何が変わるのか、よく分かっていないのが現状のようです。また、この発言も注目すべきものだと思います。

某大手キャリアC 副社長 「最初の立ち上げ時期に、今の4Gと同じルールで5G端末を買ってくださいといっても、隣に4G端末が安い値段で並んでいると、恐らく5G端末は普及しないと思う。

 これは裏返せば、少なくとも立ち上げ当初はスマートフォンに関しては 5Gに移行するメリットが一般消費者はあまりない、ということです。5Gに移行して生活が変わるのであれば、少々高くても喜んで消費者は5Gにお金を投下するはずだからです。また3Gから4Gの時は iphone でいうと 5 からだったと思うのですが、速度が数mbps から 数十mbpsとなったので、ウェブの速度などがグンと上がった気がします。そしてなによりスマホ自体がまだまだ普及が拡大していた時期でした。新しく買う人は基本4Gですし、またもともと3Gスマホを持っていた人もイノベーションに関する感度が高い人たちなので、4Gにすぐ移行したと思います。ただ現在スマホがこれだけ普及した状態で、積極的に4Gから5Gに移行する人はそう多くないでしょう。また多くの人たちの移行のモチベーションともなる5Gならではのキラーサービスが産まれるのは、まだ時間がかかりそうではあります。

 

(12月10日:前回とのボリュームのバランスから、最後の段落を加筆しました)

 

本当はこの投稿で終わる予定だったのですが、また長くなってしまったので、一旦ここまでとしまして、次回最後の予定でアメリカでの状況や今後の展開などについて、触れていきたいと思います。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました!