今回「ひふみよ」の物販で、小沢君の執筆した本を買ってきた。
6年かけて連載していた「うさぎ!」がまとまってセットになったものと、「企業的な社会~」。
(Tシャツは買わなかった...可愛いけどあれ着て外歩くにはちと勇気が...
)
前書き読んだら、「むさぼるように一気に読まないでほしい。」と書いてあったので、ぐっと自分を抑えて一日に一話くらいのペースで読んでいる。
本文を読む限りでは、まあ「エコ活動に没頭してる」だの「痛烈に社会批判してる」だの噂されても仕方ないわなっていう内容なんだけど(笑)
小沢君、連載の最中に批判の声が寄せられて悲しかったそうだ。
前書きでこんな感じのことを述べている。
世の中の主流と違う見方をすると、なぜすぐに「○○を批判している」と短絡的に決め付けられてしまうのかと。
気短に「○○を批判している」とか、こういうメッセージを伝えようとしているとか、一文にまとめようとしないでくれ、自分と考えが違うからといって悲しんだり怒ったりしないでくれ、と。
相手が何を伝えようとしてるのか読み取ってまとめて飲み込むのではなく、情報をそのまま受け取って、自分の心がどう感じたかの方に重きをおくっていうのは結構大事なことかもしれない。
ちょっと横道にそれるかもしれないけど、私は学生時代国語の授業をいつも不思議に思っていた。
よくテストにでる問題、「このとき主人公の○○はどういう気持ちだったと思いますか?」。
そんなの答えは一つだろうか?作者が「このときの主人公はこれこれこういう気持ちでした」なんて解説を残しているならともかく...。
小学生のとき学んだごんぎつね。
詳細は忘れたけど、きつねのごんが食べ物とかをある男の人の家に毎日のように届けていて、でも男の人はそうと知らずごんを撃ってしまう。
そのあとにごんが自分の家に色々届けてくれていたと知るが、ごんは死んでしまう、っていう話。
撃ったあとごんが届け物をしてくれていたと知り、死にかけてるごんに「お前だったのか?」と聞いているときの男の人の気持ちは?という問題が出た。
先生に指名された私は、こう答えた。
「頼むから違うといってくれ、だと思います。」
だって自分だったらそうじゃない?敵だと思って撃ってしまったら、実は自分に陰で献身的に尽くしてくれていた相手だと知って、しかも自分のせいでその相手が死にかけてるとしたら...そんな事実は認めたくないじゃないか。
一縷の望みでも、真実じゃないと思いたい..。
でもそのとき担任の先生はこう言った。
「漫画のように脚色するのはやめてね。答えは“まさかごん、お前だったとは...”です。」
アホくさ![]()
当時小学生だったけど、かなりしらけた記憶が...(笑)
うさぎ!(企業的な社会~の方だったかな?)に、テストで「先生が求めてる答え」を書くことがうまい人が良い学校に入って良い会社に入って世の中をしきっていくみたいなことが書かれていたけれど、自分もいつしか国語では割り切って授業で聞いたとおりの答えを書いていた。
そう思うと考える力を養う教科なんて学校の授業であったかしらとちょっと疑問に思ってしまう。
歴史なんか、なぜこの国が栄え、この国が滅びたのかとか突き詰めれば結構面白そうだけど、思い返してもひたすら暗記したっていうイメージしかない。
“考える”ということでもういっこ思い出したこと。
社会人一年目のとき、教育係についてくれた二年目の男の先輩のことが苦手だった。
威圧的な言い方とか、傲慢な態度とかがどうしても好きになれなかった。
そのことを、大学時代の大好きだった先輩まあつんに愚痴った。
そのとき言われたのが、「なぜその先輩はそうなのか考えてみたら?」と。
当時の私はその先輩が本当に嫌いだったので、まるでまあつんが先輩のフォローをしたかのように感じ、「でも本当にやなやつなんだよ!」とむくれた覚えがある...(笑)
そしたらまあつん、「別に好きになろうとしたり、許したりする必要は無いよ。でも、なぜこの人はこうなのか、なぜそんなことを言うのか、ただ考えて知ろうとするだけでもきっと違うと思うんだよ」と言った。
まあつんの言うことは絶対的に信頼してる私、そのときもむくれた振りは続けながらも、言われたとおり考えてみた。
本当のところはどうだか分からないけれど、「もしかしたらこの人はこう思ってるからこうなのかもしれない」とか、「こういう弱さがあるのかもしれない」とか、思うようになった。
考えたからと言ってその先輩を好きになりはしなかったけれど、威圧するような物言いに、前ほどの恐れは感じなくなった。
そして自分自身、この先輩のそういう部分に、自分のこういう欠点を教えてもらっているのかもしれない、と思ったりもした。
“考えること”の力、大事さを実感した経験だった。
うさぎ!を読んでも、例えば靴をやめて裸足で歩いたり、車に乗らずにロバにのったりってことはしないだろうけれど(笑)、今まで一方的に与えられ鵜呑みにしてきた情報を、「待てよ」と自分の中で租借し考えるきっかけになるように、ゆっくりと読んで考えていきたいと思う。
明日は金曜日!ラスト一日早起き頑張ろう。