「タカや。おはよーだがね!!」





ガガだ。

朝からなんだかご機嫌な声をかけてくる。


「あ、ガガさん。おはようございます。今日もお元気そうで何よりです」


僕も笑って挨拶を返す。

あいさつはそれだけで周りを元気にしてくれるものだ。


「我はいつも元気なのだよ。今日もだね、朝っぱらから広瀬川をたゆらっていたのだ。川の水が冷たくて気持ちいいがね」


「でも冬だから、寒くないわけ?龍神様って寒いの平気なんだっけ?」

と、ワカが聞く。

「ふん。龍神は自然と一体だからな。四季の暑さ寒さも含めて、大した問題ではないがね」


その言葉に僕たちは「へえ」と頷く。

すると、

「よく考えてみたまえ。

そもそも日本人はだな、人間も自然と一体化している存在だと考えたのだよ」


あ、もしかしてアレかな?


「ガガさん、やまとことばのことでしょうか?」


「さよう。タカや、それがわかっているならば読者にちゃんと説明したまえ」



そう、僕たちは漢字に慣れてしまい、漢字の「意味」にとらわれ、それに惑わされている。


しかし、やまとことばで言葉を発してみると、

ガガの言う事ももっともだと気付いたのだ。

 


例えば、顔の中のパーツをとっても、


「め」

 

「はな」

 

「は」


これはそれぞれ、


目と芽

 

鼻と花

 

歯と葉

 


すべて、木々にも例えられる同じ言葉なのだ。

 


「み」

だってそうだ。

木になる実。

それが顔の横にふたつ成って、みみ(耳)になる。

「身」という言い方だってできるのだ。


「言われてみれば納得がいくわ。

日本人は最初から人間と自然は一体っていう感覚を持っていたのかも」


ワカが感心したように言う。


「なるほどねえ。そして、一体でありながらも人間の力の及ばない部分を神様として敬い、祀った。それが神様であり、神社なわけか」


そう言って僕は、なんとなく姿勢を正した。

頭の中には、昨年参拝に訪れた大神神社が浮かんでいた。



本殿を持たないこの神社のご神体は、三輪山。

 

一体でありながら、大いなる自然を愛し、敬った日本人。

 


その心って、すごく素敵だ。

そう思った。


「・・・・・・」


「あれ?ガガさん?」

「どこ行っちゃったのかしらね?」


なにやら静かだと思い、僕らが声をかけると


「タカさん、大変です。

ガガさんが寒さで凍ってしまいました。朝の広瀬川は冷たいですからほどほどにと、申し上げたんですが……解凍要請が出ていますので、私はちょっと行って参ります」


黒龍さんが現れ、そして颯爽と飛び立っていった。


いやいや・・・まだ凍るほどの寒さではないと思うし、なにより解凍要請って何ですか(^^;)


きっとこれもガガさんが僕たちを笑わせようとしているに違いない。


ガガさん、どういうわけか漫才にハマっているから、

本人(本神?)なりのネタなんだろう。

 

どんな時でも笑いを忘れない。

さすが偉大な龍神様である。





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