早朝の地下鉄は、ちょっぴり肌寒くて、
何だか切なくて、名残惜しい。
JFK空港は、昨日の雪でも問題なく、
世界一周航空券の最終ページにある、
JFK - NRTの文字。
命とパスポートの次に大切にしていた航空券も、
機内に乗り込み、
「TOKYO NARITA」と表示されたディスプレイに、
後戻りできない寂しさと、帰国への安堵感を複雑に混ぜ合わせた気持ちを、
投影しているようだ。
旅は終わる。
終わらなくてはいけない。
終わりがあるから、楽しいし、悲しい。
16時間後には、東京にいる。
この旅最長のフライト時間は、
この旅をかみ締めるための時間に足りるだろうか。
振り返ったり、総括したり、
いい思い出だったねと簡単な言葉でまとめたり、
そんなことは今できない。
そして、多分永遠にできないだろう。
旅は、その一瞬一瞬がすべてだったから。
いつか、多分また同じ道を辿ってみたいな。
今思えることは、それだけだ。
さよなら、全ての一瞬へ。