口腔内資料からTCが着目すべき点 | 現役 &現場TCが歯科医院を成功に導くTCを育成「Professional TC 道」/福岡

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現役で歯科医院に勤務しながら、Professionalなトリートメントコーディネーター(TC)の育成&普及活動をしています。

勤務先の院長が執筆したWHITE CROSSさんの記事はいよいよ最終回です。

今回は、治療開始前の顎位のチェックについて掲載されています。

【K-Projectプロデュース】全顎治療時に取り入れたい3つの習慣③ 治療を開始する前に顎位をチェックしよう



 

第2回の

パノラマでチェックする6つの項目

①骨の状態、個々の歯の状態

②下顎頭、下顎枝の状態

③上下顎前歯の状態

④咬合平面および下顎咬合平面が作る空隙幅

⑤上下歯列の正中

⑥咬合平面に対する歯軸の状態、下顎前歯の歯軸

 

から②〜⑥で、TCが着目すべき点です。

●顎位はどうか?

●歯列咬合はどうなのか?

 生理的咬合なのか?

 病的咬合なのか??

 それは潜在的病的咬合か?

 顕在的病的咬合か??

※顎位・歯列・咬合はパノラマだけでは分からないので、併せて口腔内写真もしっかり見る必要があります。


 

例えば、欠損→よし!インプラントと埋入するとしても、

そもそもの顎位・歯列咬合に問題があるとしたら、

お口の環境自体を改善せねば患者さんのお悩みの解決には至らないと思います。

 

もしかしたら、インプラントではなくその欠損スペースを利用して矯正と補綴で解決できるかもしれません。

もしくは、その欠損だけではなく咬合再構成が必要かもしれません。

加えて、今後の起こりうるリスクを考慮するには、年齢軸で予測を立てられていなければなりません。

 

そんな私も開口、骨格Ⅲ級の切端咬合でした。

幸いカリエスリスクは低く補綴はなかったのですが、

将来的なことを考えて矯正治療、しかも下顎の骨を切る外科矯正を決断しました。

かなり過酷でしたが、外科矯正をして本当に良かったと思います。

という経験もあり、私のかなりリアルな(笑)経験談から

矯正治療(外科を含む)に興味を持っていただける患者さんも少なくありません。

 

 

毎度おなじみのフレーズ「木を見て森を見ず」の治療で

結果オーライの利益を出せたとしても、患者さんを不幸にしてしまいますし、

口腔内を管理していく術者の首を絞めてしまうことにもなりかねません。

尊敬する先生が

治療のゴールは、患者さんも術者もメインテナンスしやすい環境にすることだ」

と仰っていました。

 

しかし、患者さんにも経済的、スケジュール的など様々なご事情があります。

理想的な治療プランと患者さんのご意志を上手く調整していくことが、

TCの腕の見せ所ではないでしょうか。